Fate/stay night
1140話
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いが、どうする? 無難に俺がキャスターを、凛が葛木を、綾子はここで様子を見ているって感じで行くか?』
『待ってくれ。……あたしも遠坂の方に入れて欲しい。幸い武器はあるし』
念話で言葉を交わしながら、アサシンが持っていた長刀を手に持つ。
『いいの? ここで手を出せば、完全に聖杯戦争に巻き込まれるわよ?』
『構わない。教師の癖に、あんな……何故殺さなかった、だなんて。とてもじゃいけど許せない。何より、あんな言葉を平気で言える人を教師にしておきたくなんかないんだ』
決意の籠もった表情で言い切る綾子。
まぁ、半サーヴァントと化している今の綾子なら、マスターの1人くらいはどうとでもなるだろう。
長刀は使いにくいだろうが、元々が色々な武術を習ってきている綾子だから、使えない事もないだろいうし。
葛木が魔術師ではない以上、凛が出てきた時点で終わっていると言ってもいいが。
『……分かった、ならそれで行こう。凛、いいな?』
『ええ』
短く言葉を交わし、それぞれが自分のやるべき事を確認すると、俺達が念話で話している間に、向こうも準備を整えたのだろう。何らかの魔術で強化したのか、拳を光らせた葛木が俺達の方へと向き直る。
「ふむ、どうやらそちらも準備が出来たようだな。では、そろそろ始めようか」
呟き、それと同時に地を蹴り、凛を守るように前に出た綾子の方に……速いっ!?
とてもではないが人間とは思えない程の踏み込み。
それを迎え撃とうとしていた綾子だったが、葛木の踏み込みの鋭さは完全に予想を超えていたんだろう。
更に、振るわれた左拳は真っ直ぐに綾子へと向かうのではなく、奇妙な……まるで鞭のようなしなりを持ち、拳の軌道が途中でグニャリと曲がる、円弧を描くとでもいうような、そんな拳。
その動きは予想外だったのだろう。綾子に出来るのは、咄嗟に長刀を盾のように使うだけだった。
だがキャスターに強化された拳だからか、長刀で受け止めたのはいいものの、次の瞬間には長刀その物が綾子の手から弾き飛ばされる。
そして、再び拳が綾子目掛けて振るわれようとして……そこに凛の放ったガンドがマシンガンの如く放たれ、葛木がそれをことごとく拳で迎撃する。
その隙を突くかのように綾子は一旦葛木の前から離れ、先程吹き飛ばされた長刀を拾い上げる。
「そんな……私のガンドを素手で弾いた? 人間なの? 幾らキャスターの魔術で強化されているとしても、こんな……」
呆然と呟く凛。
確かにこのまま凛と綾子の2人だと葛木を相手にするのは危ないか。
となると、俺が出るのが最善策なんだが……
「宗一郎様の邪魔はさせないわよ」
先程まではマスターと呼んでいたキャスターだったが、今は既にその正体が知られたからだ
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