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Muv-Luv Alternative 士魂の征く道
第四一話 遠謀深慮
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ばせる……それを良い癖とはお世辞にも言えないだろう。
「虎の尾を踏んだ愚か者がなにを選んでも結末など変わらないでしょうに。」
「それはどうかな、虎を打ち倒す―――という可能性もあるかもしれな。彼が出雲で見事生き延びたようにね。」
「―――果たしてそれだけの胆力、彼奴等にありましょうか。所詮は死肉を啄むハイエナ。虎や竜には勝てませんよ。」
かつての仕組みを思い出して斑鳩崇継はほくそ笑む。
戦術レベルでなら何度も自分の予測を超えてきた漆黒の衛士、彼の運命を切り開く力が戦略レベルの絶望的な状況下でさえ生き残れるのかが見たかった。
斑鳩崇継の予測では生き残れる確率は万に一つ程度でしかないのにもかかわらず。
だから、一條に態々手を回し、崇司家当主救出の任を任せたのだ。
「それもそうか………して、篁の遺産はどうだ?」
「順調です。あとは橘花とATRXで検証される技術と概念を盛り込み、それに見合った外装を見繕う状態です。」
「そうか、それは楽しみだ。」
ふっ、と微笑を浮かべる斑鳩崇継。
「しかし、私は例の手術には反対です。……動物実験には成功していても、治験も終了していない―――成功率は恐らく4割。失敗すれば良くて一生寝たきり、致死の可能性のほうが高いでしょう。」
「仕方あるまい、ブレインゲート技術自体、まだ日の浅い分野だからな。成功者は確か9人程度だったか?」
「いずれも大脳埋め込み型の有線型インプラントタイプの患者です。今回はさらにもう一歩進めた次世代型インターフェースのようです……どうにも過渡期感は否めませんね。」
「BETA戦役が無ければ発展が三十年は遅れていた類の技術だからな仕方ないだろう。」
「といっても、この技術を受けるのにサイバーキネティックス社の協力も取り付けねばなりませんでしたから相当骨が折れました。
我が国内でそれが出来たらよかったのですが、日本の医学界は閉鎖的で、日本の世論自体もこのようなインプラントに対する忌避感が強すぎてこの類の技術において後塵を期している――――それも、今後の課題ですね。」
自身の意見が反対であっても主の命に従い、外交を行った真壁がその労を思い出し
ため息をつく。
インプラント系の技術は解析が難しい、その理由は簡単で材料工学主であり、人体に機械を埋め込む場合はそのすべてが高度なマイクロナノ技術の結晶だからだ。
また、それがどの様な理念で設計されたか、それは膨大な失敗というネガティブデータが無ければ理解できない。
つまり、外交に使った労力よりも収穫のほうが小さいのだ。またそのリスクも看過できない。
「予想外の角度から問題が見えただけ収穫はあったとみるべきか。」
「私見ですが……人体の機能拡張は恐らく、今後の国防上でも重
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