十一話:包囲突破
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にワザと狙ったのだと考えてしまった。
そのため切嗣が闇の書の主であると強く思い込んでいるのだった。
【とにかく、一回仕切り直しだな。幸いこっちの被害はほぼない。それに多くの情報を得ることができた。今回の戦いは決して無駄じゃない】
【そうだね。それじゃあ、いったん戻って会議だね。なのはちゃん達も戻って来てるよ】
【わかった】
クロノは通信が終わると短く息を吐いて夜空を見上げる。
そして、幾ばくかの時間、亡き父に想いを馳せ憂いのある表情を見せる。
しかしながら顔を下ろした時にはいつもと変わらぬ表情であったのだった。
「ただいまー! いい匂いだな、はやて」
「ただいま、はやてちゃん」
「シグナム、ただいま戻りました」
「…………」
激戦を乗り越えて無事時間以内に主の元に帰還を果たした騎士達。
その顔には隠しきれない達成感が滲み出ていたがはやては鍋が楽しみなのだろうと解釈する。
因みにザフィーラは獣形態なので黙っている。
「もうちょい待ってな。もうすぐお鍋できるよ」
「お邪魔してます。ヴィータちゃん、シャマルさん、シグナムさん、ザフィーラ」
「あれ? 切嗣はどこに居るんだ?」
「おとんならさっきビールを買いに―――」
「ただいまー」
「噂をしたら影がさすってやつやな」
遅れて帰宅した切嗣にザフィーラが荷物持ちの為に赴く。
その忠犬ぶりにすずかが興奮していたがそれはどうでもいいことだろう。
実際切嗣の内心はそれどころではないのだから。
ロッテから念話で特に変わったところはないと伝えられていたがそれでも胸騒ぎが収まらない。
実際にこの目ではやての無事を確かめねば気が気ではなかった。
しかし、それをおくびにも出さずに家に入る。
「うん、いい匂いだね」
「おとんはあんまり飲まんようにしてな。すずかちゃんに恥ずかしい父親は見せられへん」
「ははは、出来るだけ気を付けるようにするよ」
目を細めて笑うふりをしながらはやてに暗示などが掛かっていないかを確認する。
間違いなく普段のはやてだと確信してようやく自然な笑顔を覗かせる。
先程のシグナムの件もあるのだから通信ができなくなったのは偶然ということだったのだろうと結論付けてザフィーラからビールの入った袋を受け取る。
「そう言えば、おとん宛に荷物が届いとったよ」
「……本当かい?」
「なんか、会社の名前が全部漢字やったから中国の会社やと思う。あ、持ってこよーか」
「いや、自分で確認するよ」
不安要素の登場に僅かに表情が硬くなるが鍋の様子を見ていたはやては気づかない。
その後、短くはやての言葉を断りすぐさま荷物を調べる。
一先ず爆発物の類ではないことを調べてから
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