第七話「時空管理局」
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じゃなくて『幾つも』の間違いだろう」と言う言葉が貼り付けてあった。極力気にしないようにしてクロノは尋問を始める事にした。
「では最初に...あ、そうだ。僕はまだ君の名前を聞いてはいなかったな。彼女、フェイト・テスタロッサは君の事を『リオンさん』と呼んでいたが、君の名前はリオンでいいのか?」
一瞬だけリオンの表情に先程までの顔とはまた少し違うなにか微妙な物ー少なくとも言葉では言い表せない、クロノが何だか知らないものが混じったような気がした。
「ああそうだ、僕の名前はリオン。リオン・マグナスだ。」
ふむ、と顎に手を当てるポーズを取った。考え込んでると相手に印象付けるポーズだ。
だが特に反応はない、今の言葉にも澱みは無かった。となると、あの「何か」は何なんだろうとクロノは思った。まあ今考えてもわからないだろうから考えるだけ無駄だ、と思って次の質問をすることにした。ついでにその前に呼び方は彼女に倣って「リオンさん」と言うことにした。
「一体何の目的でジュエルシードを集めている。」
此方には特筆すべき変化はクロノには見受けられなかった。
「目的と言われてもな...依頼されたとしか言いようが無い。」
「依頼だと?」
「ああ、僕はどうやらお前達の言葉で言う『時限漂流者』と言う世界単位の迷子らしい。だからとりあえず生活のために傭兵のような事をしている。」
迷子、と言うところだけ少しばかり顔を顰めていた。本人自身その言い方には何か引っ掛かるものがあるのだろう。年の近い(と思われる)クロノは妙なところで彼に共感していた。
「成る程生活の為か...まあそれは良いだろう。所で誰がそんな『ジュエルシードの回収』何て事を君に依頼したんだ?」
間髪いれずに答えた。
「僕と一緒に戦っていた奴らがいただろう。アイツらの保護者だ。もっとも名前は知らないがな。」
「知らないだと?だが苗字くらいはわかるだろう?」
彼はああ、と相槌をうった。
「まあテスタロッサと言うんだろう、その他の事は知らんな。」
かなり疑わしくは感じたがプレシアの名前を彼が知っているかどうかはこの際そこまで重要じゃないのでおいておく。それよりも重要なのは
「その他のことは知らないと言ったな?その目的も?」
「当然知るわけも無い。」
やれやれと内心でクロノは首を竦めていた。ここまで徹底してるとなると理詰めで聞き出すのは難しい。かと言って『取引』に応じる相手とも思えなかった。それにそもそもそれはクロノの流儀に反していた。
「じゃあ次に君はどの様に次元漂流者となった?」
「どうやらジュエルシードからでてきたらしいんだが、残念ながら僕はその状況を実際に見たわけじゃないし覚えても無いから詳しくは言えんが。
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