暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第1章:平穏にさよなら
第13話「面倒事」
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れなら...!)」

  突っ込んでくる王牙を迎え撃とうとして身構える。

     ガキィイイン!!

「ストップ!そこまでだよ!」

  王牙が手に持つ剣を振りかぶり、僕はそれを受け流そうと手を動かした瞬間、剣の進路をふさぐように槍が差し込まれる。

「お兄ちゃん!」

「緋雪!?それに司さんも!」

  緋雪が僕に駆け寄ってくる。王牙の攻撃を防いだのは司さんだったようだ。

「つ、司!?」

「...はぁ。ねぇ、何をやってるのかな?一般人相手に魔法だなんて...。」

  さすがに司さんも呆れている。

「こ、こいつが俺の邪魔をするから...。」

「優輝君は、店のためを思って君を追い出したんだよ?...もしかして、迷惑なんて掛けていないなんて思ってる?」

「っ.....。」

  言葉を詰まらせる王牙。...一応、自覚はあったのか。

「.....んだよ...。」

  しかし、俯いた状態で何かを呟く。...嫌な予感がする..。

「っ、お兄ちゃん、下がって。」

  緋雪が僕を庇うように前に出て、吸血鬼の姿を晒す。

「なんだよ...転生者でもない癖に、出しゃばってんじゃねえ!!!」

「っ....!危ない!」

  さっきの戦いよりも多い数の武器を射出してくる。

「“アフェクション・シールド”!!」

     ギギギギギギギィイン!!

「くぅっ....!」

  司さんは、僕達を庇うように防御魔法を使って武器を防ぎだす。だけど、数が多すぎるせいか、押され始めている。

「...任せて。」

「緋雪?」

「決定打にはならないけど、怯ませるくらいはできるはず....!」

  両手を王牙の方向に翳し、何かを“視る”ように念じ始める。

「“ツェアシュテールング”!!」

     ドォオオオオオン!!

  緋雪の両手に赤い光の球のようなものが出現し、それを緋雪は両手で潰す。すると、巨大な爆発が武器群の中で起こり、飛んでいた武器が全て吹き飛ばされる。もちろん、爆風で王牙は怯み、武器の射出も止まる。

「っ、今!“エモーションシューター”、シュート!!」

  その隙を突き、司さんが素早く、貫通力のある水色の魔力弾を放ち、王牙の脳天にぶち当てる。

「がっ...!?」

「...ふぅ、これで...。」

「っ!まだ!」

  緋雪が上を向いてそう叫ぶ。

「なっ....!?」

  上を見れば、大量の剣が浮いていた。...しかも、そのどれにも魔力が込められている。

「くそっ....!」

〈マスター!?ダメです!魔法は...!〉

「お兄ちゃん!?」

「優輝君!?」
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