第1章:平穏にさよなら
第13話「面倒事」
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、三つ目の剣を弾く。
「(まだだ!まだ、昨日の状態じゃない!)」
今のはまだ護身術の応用だ。昨日の導王流で、いくらか技術が上がっていたから対処できたが、これではまだまだ足りない。
「(だけど、悠長に昨日の技術を思い出している暇はない!魔力も使えない今、できるのは...。)」
―――短期決戦!
足を踏み込み、縮地の要領で一気に距離を縮める。
「っ...調子に、乗ってんじゃねぇ!!」
「(来るっ...!)」
王牙の背後に大量に武器が展開され、それらが一斉に掃射される。
「っ...ぜぁっ...!!」
一秒も満たない内に僕へと辿り着く武器群に、僕は立ち止まらずに、むしろ走り出した。
最短距離を、最速で、最小限の被害で突き進むために。
ガィン!ズザァッ!
一つの剣を左手で受け流し、狙いが甘く隙のある地面スレスレをスライティングで抜ける。
「っ...!」
ダン!
すぐさま起き上がるために右手を左側の地面を叩くようにつき、飛び上がるように起きる。この際、足で飛んできていた武器を払っておく。
「っぁ....!」
見事に起き上がり、体勢を立て直す間もなく地面を蹴り、武器群の中に飛び込む。
飛んでくる武器群に対して、いつまでも立っている体勢では命中しやすく、絶対に凌ぎきれない。だから武器群に平行になるように突っ込めば、命中率は低くなる。もちろん、ちゃんと飛び込む際に武器の弾幕が最も薄い所を狙ってある。
「ぐっ...らっ....!」
一瞬。ほんの一瞬武器の弾幕が薄くなった所で僕は空中で体を捻り、踵落としの要領で当たりそうな武器を逸らし、一度着地する。
「(残りの距離は、ほんの三メートル!)」
上手い具合にしっかりとした体勢で着地できたので、そのまま縮地で一気に距離を詰める。
「なっ!?」
「....っらあ!!」
ついに攻撃が届く距離になり、驚愕に染まる王牙の顔。それに対し、僕はまっすぐ、勢いを利用した強力な掌底を両手で放った。
「ぐはぁっ....!?」
「(捉えた....!!)」
動揺していた王牙に、その掌底は見事に決まって吹き飛ばした。
だけど....。
「てめぇええええええ!!!」
剣を構え、突っ込んでくる王牙。
「ちっ...やっぱり一撃じゃ、無理か!」
元々魔力の篭っていない体術の一撃。対して奴はバリアジャケットという普通に殴った程度じゃ一切ダメージの通らない服を纏っている。当然、衝撃を徹すような攻撃じゃなかったから耐えられるだろうな。
「(だけど、激昂して武器の射出がなくなっている。こ
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