第八幕その四
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「あの人達もね」
「そうなのね、だから私達もあの人と仲良くなれる様になったのね」
「そうだよ、ただね」
「ただ?」
「ラゲドー王はね」
彼についても言うのでした、かつての。
「あの人は本当に悪い人だったから」
「その人が王様だったから」
「余計に悪かったんだよ」
ノームの人達にとってというのです。
「それが王様が代わってね」
「それで変わりだしたのね」
「うん、その歪んでしまったノームの中で一番歪んだ人だったから」
「悪い人が王様になると」
「余計に悪いことになるんだ」
「オズマと逆ね」
「そう、正反対だよ」
まさにというのです。
「それは余計に悪いことになるんだよ」
「そういうことなのね」
「だからオズの国はね」
「オズマが主でとてもいいのね」
「そうだよ、オズマはとてもいい人だから」
だからというのです。
「国家元首としてもいいんだよ」
「そういうことなのね」
「けれど魔法使いさんも」
ここでジョージが魔法使いに言いました。
「かつては」
「この国の主だっていうんだね」
「はい、そうでしたよね」
「ああ、私は嘘を吐いてなっていたから」
「だからですね」
「駄目だよ」
その時のことを思い出して、です。魔法使いは申し訳なさそうな笑顔になって言いました。
「やっぱり私はオズの国の主じゃないんだよ」
「主はオズマ姫ですね」
「そう、だからね」
それでというのです。
「私はこのままでいいよ」
「魔法使いさんで、ですね」
「うん、このままでいいよ」
「そうなんですね」
「ただね」
「ただ?」
「あの時ドロシーと一緒に気球でアメリカに帰ろうとした時に」
その時のことをです、ドロシーを見つつお話するのでした。
「もうオズの国に戻ることはないって思っていたよ」
「それが、でしたよね」
「うん、戻って来てね」
そのうえでというのです。
「今じゃ本当に魔法も使える様になってね」
「本当の魔法使いにもなって」
「それでオズの国に住んでおられますね」
「そうなったよ、運命はわからないものだよ」
「魔法使いさんもオズの国に愛されてるんですよ」
ジョージはこう言いました。
「そうなんですよ」
「だからだっていうんだね」
「はい、実際オズの国で魔法使いさん嫌いな人はいないですよ」
皆から愛されています、その温和で気さくな人柄そしていざという時に頼りになるその魔法と知識、機転によってです。
「それは最初に来られた時からですね」
「そうよ、皆魔法使いさんが好きよ」
ドロシーも魔法使いに言います。
「勿論私達もね」
「だといいけれどね」
「ええ、今だってね」
この旅行の時もというのです。
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