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逆さの砂時計
べぜどらくん・しょっく!
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、ものぐさだったのかも知れないけど……怪我の功名とか、偶然の産物、って言ったほうが適切かなあ……?」

 偶然?
 いいや、違う。

「これは必然だ! パンが生まれた瞬間に、定められていた運命なんだ! 発酵。なんて素晴らしい! そしてマリオンは巨匠だ。無二の才能と優れた技術、膨大な知識を併せ持ったパンの芸術家だ! 弟子にしてくれ!!」
「えええ!? パン屋なら、これくらい普通よ!? それにベゼドラさんって、この街の住民じゃないわよね? 旅人なんじゃないの!?」
「そうだ。だから、目的を果たした後に必ず戻ってくる。その時には師匠と呼ばせてくれ!」
「し、師匠って……。本当に変な人ねえ」

 低姿勢で拝み倒す俺を見て。
 マリオンが呆れ、苦笑う。

「良いわ。ベゼドラさんが戻ってきたら、その時に考えてあげる」
「本当か!?」

 よし! とっととロザリア回収だ。

 俺が歩むべき輝かしいパン道の為にも!!



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