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逆さの砂時計
べぜどらくん・しょっく!
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 ……なんてことだ……。
 「奥が深い……人間はたった数千年の間に此処までの技術を会得してたのか!」
 「うん、まぁ……最初に発酵パンを見付けた人はドジっていうか、物臭だったのかも知れないけど。怪我の功名とか偶然の産物のほうが適切……」
 偶然? いいや、違う。
 「これは必然だ! パンが生まれた瞬間に定められていた運命なんだ! 発酵……素晴らしい! そして、マリオンは巨匠だ。無二の才能と優れた技術、膨大な知識を併せ持ったパンの芸術家だ! 弟子にしてくれ!」
 「えええ!? パン屋ならこれくらい普通よ!? それにお兄さん、この街の住民じゃないわよね? 旅人なんじゃないの!?」
 「そうだ。だから目的を果たして必ず戻って来る。その時に師匠と呼ばせてくれ!」
 「師匠って……変な人ね」
 低姿勢で拝み倒す俺を見て呆れ、笑う。
 「良いわ。戻って来たら考える」
 「本当か!?」
 よし! とっととロザリア回収だ。
 
 俺のパン道の為にも!!


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