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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
第百二三幕 「静かなる宇宙上」
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つららの言う事は尤もだ。このままでは
二進
(
にっち
)
も
三進
(
さっち
)
もいかないまま少しずつバリアが減るばかり。相手の球切れを待とうにも、攻撃の正体さえわからない状態でそれは余りにも危険。何より、セシリア自身がこのままおめおめ撤退する自分を許すことが出来ない。
が、しかし。セシリアにだって出来ない事の10や20くらい存在する。それには主に料理とか社交辞令とかがそれに分類されるが、今回出来ないことは他の人間にも共通する物である。というのも――
「つらら……クイーン・メアリ号は宇宙船です」
『え?知ってますけど……』
「そしてクイーン・メアリ号を十全に運用するにはブルー・ティアーズの拡張領域をフルに活用する必要があります。そのため、現在のブルーティアーズには――」
「 武 装 が 存 在 し ま せ ん 」
痛いほどの沈黙と居た堪れない空気が地球〜宇宙間で漂う。
そんな内部事情までは彼女も知らなかったのだろうが、そもそも宇宙船に武装なんて常識的に考えてあるわけがない。アメリカが一度でもスペースシャトルにバルカンだのミサイルだのを積載しようとしただろうか?
答えは、「そんな訳あるか」である。ハッキリ言って、現在の技術力でそんな『余分な物』を宇宙船に取り付けるのは無理だ。というか、そもそも使い道がない。スター・ウォーズじゃあるまいし。
『………で、デブリ撃墜用のレーザーとか!』
「ありません」
『こ、コンテナ投げましょう!!』
「貴方、この宇宙ステーション『カリバーン』の開発に何百億ポンド(※)継ぎ込んだと思っているのですか。英国国民の血税の結晶を投げたら、ついでにわたくしも開発チームに地球外へ投げられますわ」
『………じ、じゃあ攻撃方法は?』
セシリアはしばし考え、清々しいまでの笑顔でひとつの結論を導き出す。
「もちろん……船体による『突撃』あるのみですわ」
『それはつまり、丸腰って事じゃないですかぁぁぁ〜〜〜〜〜〜ッ!?』
IS史始まって以来の人類史に残る初の宇宙戦闘は、猛烈に奇妙な方向へと流れ始めていた。
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