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101番目の舶ィ語
第十三話。魔女の誘惑
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が俺を頼ってくれる。笑いかけてくれる、それだけでいい。
少なくとも、こっち(・・)の俺は。

「むぅ〜、なんか誤魔化された気もするけど、まあいいや。
で、君の本当の名前は遠山金次君であってるのかな?」

「その質問に答える前に聞かせてくれ! キリカはいつから解っていたんだ?
俺が……その……ただの一文字じゃないってことに……」

「『神隠し』を調べに音央ちゃんが通っていた小学校に行った時にね。
ある人が教えてくれたんだよ。君がモンジ君じゃなく、『人間を辞めた人間』、俗にいう……『逸般人』って呼ばれていた人だってことを」

「おい、ちょっと待て! 誰だそんなこと言った奴は?? 違うからな! 俺はれっきとしたただの普通の人間だから??」

「あはは、モンジ君。そんなこと今叫んでも残念ながらもう遅いよー?
君、既にハーフロアになってるし。『主人公』なんていうロアの世界の肩書きを持ってるからね」

キリカの言葉に俺のハートは撃ち抜かれた。
いい意味ではなく。俺の精神をぶち壊すかのような言葉の矢がグサグサっと突き刺さる。
なんというか、先程までのキリカとの甘い時間の幻から急に現実に戻された感じだ。
ズーンと落ち込んだ俺を慰めるかのように、キリカは自分の頭を俺の右肩に載せたまま、垂れかかってきた。

「そのある人が言っていたけどね、君なら大丈夫だって言ってたよ。だから……私も君を信じるよ」

「信用してるんだな、其奴のこと。其奴は俺の知り合いか?」

「うん。彼は信用できるよ。何故なら、彼の推理は外れたことはないからね。それに君と因縁があるって言っていたよ。私達ロアの間でも彼は有名な存在で、彼は『世界最高の主人公』。『千以上の都市伝説を体験したモノ』に送られる『どんな伝説でも消せない者』の称号『FOAF』をこの世界でただ一人持っている存在で、本名はかなり有名なロアそのものだったけど。
彼と出会った人々は私も含めてこう呼んでいたよ。『教授(プロフェシオン)』とね」

教授(プロフェシオン)??
その名を忘れるはずがない。
教授(プロフェシオン)
それはかつて俺とアリアが乗り込んだ原子力潜水艦。
伊・Uにいた世界最高の名探偵が名乗っていた名と同じものだ。
……彼奴がこの世界にいやがる??

「何処だ? シャーロック・ホームズ……彼奴は今、何処にいる??」

この世界で出会ったが100年目だ!
逮捕してやる!
とベルセ気味のヒステリアモード(レガルメンテ)の俺が意気込んだものの。

「わぁ、落ち着いてモンジ君?? 今この町にいないし、居場所も知らないよ。
彼は神出鬼没だから。突然現れて、突然消える……『魔女』の私でも追跡は困難なんだよ」

キリカにしがみつかれて動
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