第十ニ話。魔女との接触
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う如何にも中学二年生が好きそうな属性を持っているから……ある意味お似合いな二人なのかもな。
「それで、どんな風に二人はやっつけられちゃったの?」
キリカの問いかけに、胸が苦しくなる。
あの時の光景が脳内で再生されるからだ。
だけどキリカに伝えないというのは、それこそ意味がなくなってしまう。
「氷澄。あいつが、えーと……『イーヴルアイ』っていう技を使って、その直後に世界が青と黒のモノトーンカラーみたいになって」
「うんうん。『厄災の眼』だね」
「そういえばそんな技名を叫んでいたな。えーと、それからラインが離れた位置から『ライン・ザ・マッハ』っていう技を使ってきて、ズカガガガッて物凄い音が響いてだな……気が付いた時には一之江が俺の前に立っていて……」
「『音速境界』。ターボな老人系が持つ割とベタな技だね」
ベタな技なのか?
ま、俺やキンゾーのように生身で音速を超える人間もいるから……ベタなのかもな。
「物凄いスピードで、動くことで、ソニックブームを巻き起こしていろんなものをズタズタに引き裂いちゃう技なの」
「ソニックブーム?」
「空気がぶわっと動いて、すんごい風が起きるみたいなものかな。でも本来ならそれは辺り一面……それこそ氷澄君ごと吹き飛ばしてしまうはずのもの。だけど彼は、『厄災の眼』でモンジ君と、瑞江ちゃんだけが受けるように呪いをかけた」
呪い?
……そういえば。
『音速境界!』
『厄災の眼!』
戦いの最中では気にしなかったが。
ラインが技を放つ時に決まって氷澄は『厄災の眼』を使っていた。
それだけじゃない。
『ほう。二人にかかるはずの厄災を……一人で肩代わりしたというのか』
そんなことを言っていた。
つまり一之江は、俺が受けるはずだったダメージまでもを一人で受けてしまった、というわけか。
「……く、そぅ……」
悔しさが込み上げてくる。
キリカの手間、抑えておきたかったが抑えられない気持ちが言葉として出てしまう。
「今日はいろいろあったんだね、モンジ君。
身体の方も酷い傷だね。ちょっと待ってね」
俺に優しく告げるとキリカは。
そのおでこを右肩に当てるようにして、もたれかかってきた。
まるで慰めてくれるような仕草だったが……。
「……キリカ」
肩がやたらと熱い。
「うん、結構熱もあるんだよね」
キリカをよくよく見ると、汗がうっすらと浮んでいる。
「悪い、こんな状態の時に」
「ううん、モンジ君。私なら大丈夫だよ。モンジ君にこうしてるだけで落ち着くから平気。ごめんね、普通にお話し聞いたり、
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