Fate/stay night
1139話
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使おうとした以上は何らかの影響があるのは間違いないんだから。そんな状況で綾子が1人でいてみなさい、これ幸いと人質にしようとしてくるわよ」
「……なるほど」
事実、結界が張られていた凛の家にいたのに、その結界を突破されて人質になってしまっているのだから、綾子にしても慎重になるだろう。
少し緊張している綾子の肩を軽く叩いてやる。
「俺達と一緒に来ても、キャスターが綾子を狙うかもしれないが……心配するな。俺と一緒にいる以上はキャスターだろうが、バーサーカーだろうが、お前の事は絶対に俺が守ってやるよ」
「アーク……」
潤んだ瞳でこっちに視線を向けてくる綾子だったが……
「はいはい、ラブロマンスとかラブコメをやってる暇はないでしょ。とにかく、ここに残っているのはキャスターとマスターだけなんだから、後はとっとと柳洞寺に向かいましょう。……アークエネミー、その短剣本当に大丈夫なのよね?」
俺が持っている短剣に視線を向けながら尋ねてくる凛。……何だか微妙に不機嫌だけど、もしかして嫉妬だったりするのか?
そんな風に思いながら、凛の言葉に頷く。
「ああ、どんな効果があるのかは分からないし、調べている暇もない。ただ、何らかの宝具である以上、これを捨てたり破壊したりするのは勿体ないだろ。なら、俺が持っておいた方が、キャスターに奪い返される心配もない」
「そう。……言っておくけど、そこまで言ったからには絶対に奪い返されないでよ?」
「分かっている。……さて、やるべき事も決まったし、そろそろ行くか」
俺の言葉に凛と綾子が頷き、綾子はその手にアサシンの長刀を持ったままこっちにやって来る。
重さ自体はそれ程でもないんだろうが、その長さが長さだけに、微妙に取り扱いがしにくいらしい。
綾子もそれなりに武術の経験があるって話だし、当然剣道の経験もあるんだろう。ただ、それでもこんな長刀を使った事があるとは思えない。
「じゃあ、アサシン。俺達は行く」
「うむ。お主との戦いは、剣士を相手にしたものではなかったが、それでも十分に心躍るものだった。この身はもうすぐ消えるだろうが、それでもお主のような相手と最後に戦えたのは嬉しく思う。……行け」
山門の柱に寄り掛かったまま告げられたアサシンの言葉に、頷く。
本来なら、ここで問答無用にスライムで吸収すればいいのかもしれないが、こいつ自身がもう長くないと言っている以上、最後くらいは好きにさせてやりたいと思う。
既にこいつに俺達に対抗する手段はなく、冬の月を見ながら大人しく消えていきたいというのは、こいつの本心だろうから。
「ああ。……じゃあ、な」
短くそれだけを告げ、凛と綾子の2人と共に山門を抜ける。
……以前来た時には逃げ帰ったあの山門を、こうし
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