Fate/stay night
1139話
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ーヴァント。通常の人間よりも高い力を発揮出来る。
ただ、あの奇妙な形の短剣。あれは間違いなく何らかの宝具だろうから、綾子に持たせない方がいいだろうな。
「綾子、目が覚めたか?」
凛に頭を抱えられている状態で目を覚ました綾子。
何が起きたのか、自分がどこにいるのかも分からない様子の綾子に、声を掛ける。
「え? ……あ、うん。あたしは確か……変なマント? ローブ? とにかくそんなのがいきなり部屋の中に現れて……」
「そう。やっぱり家の結界を破られたのね。それとも単純にすり抜けられたのかしら。どのみち、幾らキャスター相手ではあっても、そのままにはしておけないわね。家に帰ったらどうにかしないと」
綾子の言葉を聞き、悔しげに呟く凛。
自分の本拠地にあっさりと侵入されたんだから、それも当然だろうが。
「とにかく、綾子をこのままここに置いておく訳にもいかないし、まさかこの状況で1人で帰す訳にもいかない。何しろ、キャスターの最大の切り札であるアサシンが敗れたんだからな。更に本人もあの短剣で妙な影響を受けているようだし、追い詰められている以上、また綾子を人質に取らないとは限らない」
「……なるほど」
俺の説明で大体の事情は理解したのだろう。少し嫌そうにではあるが、すぐに納得した表情を浮かべる。
まぁ、綾子の場合は色々と特殊だし、戦いに巻き込まれる可能性というのは間違いなくあるんだよな。
「つまり、あたしはこのままここにいればいいのか?」
「いえ、ここに残っても危ないわ」
ここに残ればいいのか、と尋ねる綾子に凛が首を横に振る。
「何でだ?」
「キャスターは空間転移という魔術を使うの。本来は限りなく魔法に近い魔術なんだけど、それを使いこなす以上は綾子1人をここに残しておけば、また人質に取られる可能性が高いわ。幾ら綾子が半サーヴァントではあっても、本物のサーヴァントであるキャスターには敵わないでしょうね。……筋力とかなら勝ってるかもしれないけど」
「遠坂、それは女に言う台詞じゃないと思うぞ」
筋力はサーヴァントより上と言われた綾子が、不服そうに告げる。
まぁ、そうだよな。サーヴァントって言ったら、普通は人より何倍、下手をすれば何十倍って力の強さを持ってる奴なんだから、そのサーヴァントよりも筋力が上とか言われれば、綾子としては嬉しい筈がないか。
まぁ、今回の場合は筋力が最低に近いキャスターだからこそだろうけど。
だが、凛はそんな綾子の言葉にそう? と首を傾げてから話を戻す。
「とにかく、後はキャスターとマスターが1人ずつと判明した以上、向こうだって形振り構ってないでしょ。さっきのアークエネミーが使った短剣にどんな効果があったのかは分からないけど、少なくてもアークエネミーに
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