Fate/stay night
1139話
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していた凛が一瞬驚愕の表情を浮かべるが、先程の令呪を使った光景を思い出したのだろう。すぐに納得して言葉を発さない。
「キャスターは魔術師。つまり、サーヴァントを召喚出来る前提条件は揃っている訳だ」
「うむ。お主の言う通りだ。もっとも、色々と裏技的な真似をしているらしいが。その代償として、本来のサーヴァントではなく私のような亡霊が呼び出され、更にはこの山門から移動する事が出来ず、そして極めつけにサーヴァントとしての私の存在感は些か薄い」
何だか色々と聞き逃せないような情報やら単語が入っていたが、それを聞く事はどうやら出来そうにない。
「つまり、お前はここで死ぬと?」
「うむ。死ぬというのはサーヴァントの場合は正しくないのだろうが、その認識で間違っておらん。今の私ではお主をどうにかするのは不可能だろう」
「……そうか。介錯はいるか?」
「ふっ、いらんよ。せめて風流に、冬の月に見送られて消えさせて貰おう。……ただ、出来ればでいいが、私に勝ったお主にあの長刀、物干し竿を貰って欲しい」
「いいのか?」
アサシンの予想外の頼みだったが、特に貰っておいて不都合もないだろうって事でそう尋ねる。
自分の武器を、自分を殺した相手……正確には死ぬ羽目になった相手に持っていって欲しいというのは疑問に思うが、元々アサシンは風流が云々とか、色々と突飛な性格をしていた。
それを思えば、この展開に思いつくのはそれ程おかしな話じゃないだろう。
「うむ。私の愛刀ではあるが、このまま私と共に消えていくのは忍びない」
「……言っておくけど、俺は刀を使えないぞ? つまり、持っていっても使う事はまずないと思ってくれ」
実際、あの長刀は確かに優れものではあるが、宝具の類ではなく、普通の長刀に過ぎない。
そんな長刀を武器として使うのなら、俺はいつも通りに格闘をメインに……念動力とスライムを使った戦闘の方がやりやすい。
「構わん。この戦いを最後まで見届けさせてやりたいだけだ。もっとも、武器は使ってこそ武器。出来れば戦闘で使って欲しいという思いはあるが、無理は言わぬよ」
「そこまで言うのなら、預かろう」
とは言ってもな。あれだけ長い刀身を持つ長刀だ。どう考えても普通に持ち歩くには邪魔でしかない。
そんな風に考えていると……
「ん……んん……」
気絶から覚めるだけだというのに、微妙に艶っぽい声を上げながら綾子が目を覚ます。
……なるほど。俺は戦闘をするから長刀を持ち歩けない。凛の方もいざとなればマスターとして戦闘に参加しなければならないからこそ、長刀を持ち歩けない。
であれば、それ以外の第3者にあの長刀を持っていて貰うのがベストか。
あれだけの大きさの武器は普通の女には持てないだろうが、幸い綾子は半サ
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