瑠璃色の死神ー前編
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それだけが目的ならここまで来る必要もないだろう。ならばここは首謀者であるラピスさんに聞いてみるのが一番だ。
「何でわざわざここまで来たんだ?」
「そんなの決まってるじゃん」
問われたラピスはキッパリと言い切るとアスナの方を向いて尋ねた。
「こな世界から脱出できるって噂になってるクエストについて何か知らない?」
聞かれたアスナは一瞬目をぱちくりさせると、すぐに「あぁ」と納得顔で頷いた。
「今噂になってるあの話ね。まさか本気で信じてるの?」
俺は何の気なしに首を横に振ってみるが、ラピスさんに「うん!」と大声で言うもんだから、アスナは俺の動作を気に止めなかった様だ。
「いや、だって私たちを閉じ込めるような制作者がそんなものを作るはずが無いと思うんだけど」
アスナの言うことは最もだ。俺もその意見に賛成であるのだが、その程度の理屈を並べたぐらいではこの女は引き下がらない。
「そんなの調べてみなくちゃ分からないでしょ」
ラピスの言葉にアスナは難しい顔をして腕を組んだ。
「確かにそうだけども冷静になって考えるとそんなクエストを作るメリットがないんじゃないかなぁ」
アスナの言葉にラピスも腕を組み始める。するとアスナが「それに」と言って続けた。
「そんな簡単な方法でこの世界から脱出できるなら私たち攻略組なんて必要なくなっちゃうじゃない」
確かに感情としては納得が行く。俺たちが頑張ってるのにその努力関係なしに脱出できるのは快く思わないのは確かだ。だが、考え方が少し違う。
俺が口を開くより早くラピスがアスナの話に割って入った。
「だから、私たちがその方法を見つけようって話なのよ。私たちが見つければ攻略組が頑張った事に変わりはないでしょ」
ラピスの力説にアスナはいまいち納得が行っていないようだ。無理もない、俺も良くわからない。要は攻略組がそのクエストの攻略法を見つければ、攻略組の存在意義は認められるということなんだろう。引いては自分がそのクエストの攻略法を見つけて自分も攻略組ですよアピールをしようと考えていると思われる。
アピール云々かんぬんまでは分からないが、その辺の事は何となくだがアスナも理解はしているようだ。彼女は渋々といった様子でため息を吐いた。
「まぁ、私は迷宮さえ攻略してくれれば何でも良いのだけれども、私は詳しいことは何にも分からないわ。ごめんね力になれなくて」
「気にしないでよ。それよりも、ヒースクリフの方はお願いね」
ラピスは両手を合わせてお願いする。
「まぁ、それはそうねぇ」
アスナはう言って考える仕草を見せる。僅かな間の後「うん」と一つ頷いて俺たちを見据えた。
「迷宮攻略を手伝ってくれたら考
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