瑠璃色の死神ー前編
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デラ特製ケーキ砂糖3割り増しで宜しいでしょうか?」
「ああ」
俺は自信をもって答えた。それを聞いた彼女は、「それではごゆっくり〜」と言い残しその場を立ち去る。その様子をボーッと眺めているとラピスがやや狼狽した様子で口を開いた。
「それにしても名前からしてヤバそうな感じがするよねー」
「何が?」
何の事か分からず聞き返す。するとラピスは小さいため息を吐いた。
「あのカルデラ特製ケーキ砂糖3割り増しとかいう奴の事だよ。絶対ヤバイでしょ!口の中とか糖分だらけで絶対気持ち悪いよ!」
俺がポカンと聞いても彼女の訴えは尚も続く。
「私も1回だけ食べてみたよ。どんなもんかってね。死ぬかと思ったわ、甘過ぎて。アレはもう兵器だよ兵器。人類に破滅をもたらす糖分と言う名の兵器だよ」
「前々から思ってたんだけどさ」
拳を握り、涙ながらに力説する彼女を遮り、俺が口を開く。
「あんまり糖分馬鹿にするなよ!!」
俺はテーブルを強く叩き立ち上がった。
「糖分にはな!人を幸せな気持ちにしてくれる効果が有るんだよ!素晴らしい栄養分なんだよ!」
俺の言葉にラピスも机を鳴らして立ち上がる。
「そんなんで幸せになれたら誰も苦労しないよ!世の中舐めんな!!」
二人して火花が出そうなほどのにらみ合いが始まる。すると奥から先程のツインテウェイトレスがやって来た。
「まぁまぁ、二人とも落ち着いて」
「どーどー」と両手を前に持ってきて交戦状態の間に割ってくる。
「「はぁ」」
俺とラピスは同時にため息を吐いて席に座りなおす。その様子を見ていたウエイトレスは小さな胸をそっとなでおろした。
「二人はいつもこうなんですから。なんで糖分の話だけでそこまで熱くなれるんですか」
そう彼女の言う通り俺とラピスがここに来ると大体はこんな感じの喧嘩が勃発する。そしてそのたびにこの子が止めに入るのだ。
「そうは言ってもなぁ」
俺は頬杖を突きながらラピスを一瞥すると自然とため息がこぼれた。
「こいつがいつまでたっても糖分の素晴らしさを理解できないのが問題だろ?スズからもなんか言ってやれよ」
俺の言葉にスズと呼ばれたウエイトレスは対応に困ったように苦笑いを浮かべた。
そんな俺の言葉を聞いたラピスは「それは違うよ!」と言わんばかりに口答えしてくる。
「別に甘いものが嫌いってわけじゃないんだよ。ただ甘いものを食べたくらいで幸せになろうなんて考えこそが甘いっていってんの。ね?スズ?」
またしても話を振られたスズは仕舞にため息までこぼれてしまった。
しかし、今はそんなことを気にしている余裕はない。
「別に良いだろ!糖分で幸せに成っても。
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