死亡フラグ貰いました。
5話:平穏の終わりは唐突に
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ていないが、もし症状が出てきたら俺はここからすぐ立ち去るつもりだった。俺にこんなにも優しくしてくれた人達を殺したくはない。
「管理局に行っても、もし親御さんが見つからなかったら、いや見つかって欲しいんだけど」
「でも……」
「マリそんなこと言ってたわね」
マリ。この世界に転生してから始めてできた友達。しかも女の子。前世で女子の友達はおろか話すらしたことはなかった。
「ダレン君は17歳?」
「はい、一応」
「マリもねぇ、同い年よ」
「ええ!」
これには驚いた。少なくとも2歳くらいは年下かと思っていた。背の高さのこともあるし、何よりドジっ娘というか雰囲気が年下だったのだ。
「マリはねぇ、実は結構人見知りなのよ? でもダレン君を見たときに、わたしが手当てします、って言ったの。ダレン君とは合うと思ったのかしら。それにマリは同い年の友達がいないのよ」
確かにここにはマリと同い年の子供がいない。2、3歳年下か年上はいるが本当の意味で同い年はいない。それに大人の方が多い。子供達に人気があるのはそのためだろうか?
「俺には人見知りしないからって、マリの部屋に叩き込んだんですか?」
「そんなことない訳じゃないが、マリだってまんざらでもなかったぞ? 案外お似合いなんじゃないか?」
「出会って2日すら経ってないのにわかるわけないじゃないですか」
「でも君はマリのこと、嫌いなわけではないだろう?」
「そりゃそうですけど……」
俺としてはどうなんだろう? 俺はマリのことをどう思っているのか。ドジな妹? 違うなぁ。
「まぁ、そこらへんをふまえて今夜2人っきりで話し合うといい。まさに逢い引きだな!」
「そうね、頑張ってねダレン君!」
なんだろう、めまいがしてきた。ホントに視界がぐるぐる回っている気がする。
「それで、君に話したいこと……どうした? ダレン」
「いや、なんか……」
そう言い、立ち上がろうとしたが、
ガダンッ!
力が入らず、逆に床に倒れてしまった。
「ダレン君!」
「熱がある。早く誰か呼んできてくれ!」
(やっちまった)
この発熱は恐らく“エクリプスウィルス”が発症した合図。このままでは周りの皆、そして俺自身も危ない。
「ダレン、どうしたの!?」
視線だけ向けるとそこにいたのはマリ。俺はこの娘さえ殺してしまうんだろうか?それだけは絶対に阻止しなければならない。
体を起こそうとしたが、力が入らない。そのまま、俺は意識を失った。
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