死亡フラグ貰いました。
5話:平穏の終わりは唐突に
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はないな、バスケットは、よし無事だ。
「早く、食うぞ、マリ!」
「え、ああうん、そうだね! 早く食べよう! 手繋がれてるの気にしなくていいよね、あはは!」
テーブルのあるところに移動して、バスケットを開けてみるとそこには
「これは、サンドウィッチ……正にサンドウィッチ」
とりあえず、二回言ってみた。王道のBLTから玉子サラダのものまである。
「これをマリが?」
「そうだよ〜。わたしだって家事は人並みにできるし、料理作るの好きだしね。あと、お菓子造りも最近やり始めた〜」
「ダレンに食べてもらうんだって張り切ってたもんね」
「ちよっとお母さん!」
「あら、いいじゃない。青春って感じだわ〜。私も昔はアルさんと……」
「そうだなぁ、懐かしいなぁ!」
そんな会話は耳に入らず、俺はBLTサンドを手に取り、一口。
「うまい!」
「本当!?」
「ああ、すごいなマリ。いいお嫁さんになれるぜ!」
「じゃあダレンのお嫁さんにしてくれる?」
「いや〜、それはどうっぱは!」
今日二度目の失言。やっぱり俺は学習しないらしい。これが俺の悪い癖。
「やっぱりさ〜、ダレンには女心のなんたるかをさ、一から体に叩き込んだ方がいいと思うんだけど、どうかなぁ〜」
「まずは食ってる最中にみぞおち狙うのやめて欲しいです。食べられなくなったらどうする……」
「大丈夫〜。口に突っ込むから」
「やめてー!」
サンドウィッチは全部食べました。途中食べきれなさそうなので、マリと半分こした。あと、アルさんにサーシャさん。口移し、口移しとはやしたてるのやめてください。超恥ずかしいです。
「俺のこと、ですか?」
午後、今いるのはマリの家のリビング。居間かな? どっちでもいいか。
「そうだ、ダレンは自分について覚えていないのか?」
一緒にいるのはアルさんとサーシャさん。マリは子供達と外で遊んでいる。良きお姉さんだなぁ、ドジだけど。俺がマリと一緒にいると子供達の――特に男の子――視線がこわい。メチャクチャにらんでくる。あれか、マリは子供達に大人気か。
「覚えてるのは自分の名前くらいです。どこの世界にいたのかまでは……」
転生どうのこうのの話は黙っておく。話したって混乱するだけだと思う。騙しているみたいで、心が痛む。こんなにいい人達に対してはさらに。
「そうか。なら提案なんだが……もしよかったら、ここで暮らさないか?」
「ここで、ですか?」
「ダレン君が良かったらだけどね」
俺は“エクリプスウィルス”に感染している。それは殺戮衝動を引き起こすし、周りに人がいると危ない。今はまだ発症し
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