第5章 汝平和を欲さば戦に備えよ
第40話 ヤンシア・デレジェント
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ーシアってこんなに押しの強い少女だったっけ? もっと、こう儚げな薄幸の美少女だったような。さきほどから、ぴったりとくっついて離れない。
「いままで急に邪険にされた罰です」
「それを言われると弱いなぁ」
一方的に距離を置いたのはこちらだし、アーシアはボクの復讐対象ではない。つまり、非はこちら側になるわけだ。しかし、ちょっと見ないうちに、性格がずいぶん変わったような。最近の妹分の成長に戸惑いを隠せない。守護騎士たちとは、違ったスキンシップだ。……ちょっと、いいかも。なんて。
「はやてさん、ってなんかオーラ出ていますよね。なんか、こう、はやて粒子とか散布してそうです。アーシアは、はやて粒子を浴びて浄化されそうですぅ。あぁ^〜心がぴょんぴょんするんじゃあ^〜」
謎言語をしゃべりだした。なんじゃはやて粒子って。ミノスフスキー粒子か! これって富野好きが由来って聞いたけど本当なのかね? じゃない、慌てて魔力を制御した。アーシアの謎のアタックに動転して騎士甲冑を展開しかけていたらしい。
ボクのかわいい小動物みたいなアーシアはどこにいったの。いまのアーシアは、まるで肉食獣だ。隙あらば、ボクの胸を触ろうとしてくる。前こっそりアーシアの部屋をサーチャーでのぞき見したときは、ストー……うん、忘れよう。考えるな。部屋一面のとうさ――写真……溢れ出すはやぐるみ……うっ、頭が。
あれだ、うん。悪魔のせいだね。そういうことにしておこう。悪魔ゆるすまじ!
「主はやてが幸せそうでなによりです」
「はやての困り顔っていうのもレアだな」
ボクの愛する家族たちは、アイス食べながら傍観してやがる。おい、ヴィータ、夕飯前でしょ。おやつ抜きの刑。慈悲はない。
そんなこんなで、ちょっと変わってしまったアーシアを八神家は暖かく迎え入れたのだった。彼女は、グレモリー眷属だから、敵対する可能性は高いけれど……考えないようにしよう、いまだけは。願わくば、大願成就のあともこの幸せがつかんことを。きっと無理だとわかっていても、願わずにはいられなかった。あ、でも神様いないんだった。神は死んだ。
とまれ、そろそろ夕食だよ! ちょっと時間早いって? いやいや、ちょうどいい時間です。決してスマブラでカービィ軍団にはめ殺されたからじゃないよ。シグナム、剣つかえよ。
というわけで、今日は――闇鍋じゃぁあああ!!
◆
こ、これがはやてさんのお部屋。女の子の部屋にしては、殺風景ですが、はやてさんらしいといえばらしいのかもしれません。おっと、そんなことより、いまはこの神聖なる空間の空気を全身で浴びねば。
「アーシア、急に深呼吸しだしてどうしたんだい?」
「いえ、お気になさらず。いま、私は神聖なる使命を実行している最中なのです!」
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