Fate/stay night
1138話
[5/5]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
だろう。
でなければ、サーヴァントとして聖杯戦争に参加する事はないのだから。
けど、残念ながら今の俺はうっか凛の召喚儀式のミスにより、記憶を失っている。
つまり、聖杯に対する願いすらも失っている状態なのだ。
俺が今やるべき事といえば、精々聖杯戦争が終わった後でも凛や綾子と共に過ごしたいというくらいだ。
「そして次に、一般人を巻き込むような真似をするお前と組むというのは、どうにも面白くない。……お前なんだろう? 今冬木で起きている、連続ガス漏れ事件の犯人は。一般人を容赦なく巻き込むような奴と一緒に行動すれば、最後の最後であっさりと裏切られるのは目に見えているしな」
「……そう。じゃあ、しょうがないわね。アサシン! 令呪を以て命じる! 今すぐここに来て、アークエネミーの身体を押さえて動けないようにしなさい!」
その言葉を聞き一瞬動きが止まる。
何て言った? 令呪? つまりアサシンのマスターはキャスター? キャスターは魔術師、不可能じゃない?
そんな風に考えていると、いつの間にか近くにやって来ていたアサシンが残った片手を使って俺の動きを止めるべく抱きついてくる。
男に抱きつかれる趣味はないんだが……いや、何だってこんな真似をする?
動きを止めたくらいで俺をどうにか出来ると本気で思っているのか?
そんな風に考えている間に、キャスターは綾子を抱いたままこっちに近づいてくる。
ちっ、もう少し油断してくればこっちとしても動きやすかったものを。
『アークエネミー、今助けるわ』
『待て。この状況でもこっちはこっちで何とか出来る。俺を助けるよりも、綾子を助け出す方に集中してくれ』
凛と念話で会話をしていると、俺の近くまでやって来たキャスターが懐から先端が歪に曲がった短剣を取り出す。
何だ? 儀礼用の短剣か何かか? いや、違う。キャスターはあの短剣に絶対の自信を持っている!?
「ふふふ、これで貴方は私のもの、よ! 破戒すべき全ての符!」
そう告げ、自分の勝利は確定したと判断したのだろう。
あるいは、その短剣を使うのに綾子が邪魔だったのか……とにかく、綾子を手放すとそのまま短剣を俺の方へと向かって振りかぶり……
「させるかよ!」
確かに今の俺は身体を動かす事が出来ない。
宝具のスライムを使うにしても、一瞬のタイムロスはある。
けど、スキルの念動力は別だ!
振り被っていたキャスターの右手を、念動力で殴りつける。
完全に予想外の展開だったのか、キャスターの手から短剣が飛び……
「自分で喰らえ!」
念動力を使って空中で短剣の動きを止め、刃の向いている方向を変え、そのままキャスターへと突き刺すのだった。
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ