Fate/stay night
1138話
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通に理解出来るよ」
「っ!? ……まぁ、いいわ。そのままこっちに近づいて来なさい。くれぐれも変な真似をしないようにね。幾ら貴方が強くても、こうして触れている状態からならこっちの方が速いわよ」
魔女という言葉に一瞬苛立ちを見せたキャスターだったが、それが自分を怒らせて冷静な判断をさせないようにしているのだと理解したのだろう。
これ以上は何を言っても無駄だと判断し、そのままキャスターの方へと近寄っていく。
勿論、こっちとしても大人しくキャスターにどうにかされるつもりはない。
既にアサシンの戦闘力の根幹でもある長刀を奪い、それを操る右手首を切断した以上、危険度は大幅に下がっている。
キャスターとアサシンのマスターがまだ姿を現さないのが疑問だが、向こうが圧倒的に有利なこの状況でも姿を現さないとなると、多分出て来る事が出来ない何らかの理由があるのだろう。
つまり、キャスターをどうにかする事さえ出来れば、今日でサーヴァント2人を一気に片付ける事が出来る訳だ。
確かに現在はキャスター達の方が有利だが、それは紙一重の有利さに過ぎない。
「……で? こうして近づいたけど、それでどうするつもりなんだ?」
「一応最後にもう一度聞くけど、私の側に付く気はない?」
念の為とばかりに聞いてくるキャスターに、言葉を返す。
「それは凛を裏切って、か?」
「ええ。あのお嬢ちゃんがそれなりの魔術師だというのは分かるけど、残念ながら私の計画には邪魔なのよ。だから、あのお嬢ちゃんを私の仲間に入れる訳にはいかないわ」
「そうか、なら俺もお前達の仲間に入るつもりはないな」
ピクリ、とフードの下で頬を引き攣らせるキャスター。
「何でそこまであのお嬢ちゃんに対して義理立てをしてるの? 貴方もサーヴァントでしょう? つまり、聖杯に望む願いがある筈。私と組めば、それはすぐにでも手に入るのよ?」
「確かにお前と組めば、聖杯を手に入れる事は難しくないだろうな。俺が前衛でキャスターのお前が後衛、遊撃としてアサシンもいるし。マスターの数も全部で3人となれば、一大勢力と言ってもいい」
ピクリ、と再びフードの下で頬を引き攣らせるキャスター。
うん? 何でだ? 今のどこにキャスターに動揺を誘うようなところがあった?
いや、まぁ、いい。今はとにかく目の前の事態をなんとかする必要がある。
「なら、文句はないと思うのだけど? 何故私と組めないの?」
「そうだな、幾つか理由があるが……例えば俺は、さっきお前が言っていた聖杯に対する願いってのは持っていない」
「……え?」
意表を突かれたかのような声を漏らすキャスター。
うん、気持ちは分かる。
多分、俺だって記憶を失う前であれば、聖杯に対する何らかの願いは持っていたん
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