Fate/stay night
1138話
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とした瞬間、こっちの子がどんな目に遭うのか。それをしっかりと理解しなさい?」
「くっ!」
凛が今いるのは、踊り場から少し下った階段の上。
もしキャスターに何かしようにも、足場が悪すぎる。
そうなると何かをしようとしても魔術を使うしかなく、その魔術を封じ込められてしまってはどうしようもない。
更にアサシンは俺の方を警戒しており……まさに手出しが出来ない状況へと陥っていた。
そんな俺と凛を見て満足げに口元で笑みを浮かべると、そのまま地上へと……山門前の踊り場へと向かって下りてくる。
「そのスライムとか言ったかしら? それをピクリとでも動かしたら、この子がどうなるのか……分かっているわよね?」
「……ああ」
これ見よがしに綾子をこちらへと見せつけてくるキャスターへ、苛立たしげに返事をする。
ちっ、綾子が起きてくれれば、まだ何とでも対応出来るものを……いや、それを理解しているからこそ、気を失わせているのか。
「ふふふ。あのバーサーカーですら一蹴した力を持つイレギュラー、正直、貴方達に対してどう対処すればいいのか迷っていたのだけど……こんな幸運に恵まれると思わなかったわ。絶対的な強者であるアークエネミーだからこそ、それを手駒とすれば絶大なる武器となる。アサシンが使えなくなったのは痛かったけど、ここで貴方を手に入れる事が出来れば、この聖杯戦争での勝利は確定する」
「……幾ら綾子を人質に取られているとしても、俺がそう簡単に凛との契約を破棄して、お前に従うと思っているのか?」
自分でも分かる程に声に苛立ちが混じる。
だが、そんな俺を前にしてキャスターは、全く動じた様子もなく笑みを浮かべたままだ。
「そうね、確かに貴方達の絆は深い。正直、羨ましい程よ。けど、その辺はこっちで何とかするから、安心しなさい」
「……何とか?」
綾子を抱いたまま俺のすぐ近くに着地したキャスターは、相変わらず俺の周囲に存在するスライムへと視線を向けると、口を開く。
「まず、このスライムをどうにかしなさい」
「それを俺が聞くと?」
「あら、じゃあこの子がどうなってもいいの?」
キャスターと無言で睨み合う。
ただ、現状では人質を取られているこっちが圧倒的に不利な訳で。
『アークエネミー』
更には、凛から念話が入ればそれに従わざるを得ない。
スライムを、出てきている空間の穴へと戻す。
正直、本当にこのスライムがどんな存在なのかが分からないんだよな。
使い方は分かるのに、どうやって俺がこんなものを使えるようになったのかが全く不明だ。
「これでいいんだろう?」
「ええ。ただし、またそれを出したりしたら……どうなるか、分かっているわね?」
「ああ、魔女がやりそうな事くらいは普
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