十話:セカンドコンタクト
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しまう。
しかし、レイジングハートは機械であるが故の冷静さで加速魔法を発動させ遠のく。
計算されるヴィータのスピードなら追いつけるはずはなかった、が―――
『Pferde』
グラーフアイゼンの声と共にヴィータの脚が魔力の渦に包まれる。
高速移動魔法による加速により一気に詰め寄ることに成功するヴィータ。
最初から使っていなかったのは相手にこちらの移動速度を誤認させるためだ。
これ以上加速ができないと思われるところから更なる加速を行えば相手は意表を突かれる。
もし、なのはとレイジングハートがクロノの様に経験が豊富であればそういったことも想定して動いていたであろうがいかんせん経験不足である。
反対にヴィータは見た目こそ同じような年に見えるが騎士として戦場で戦い抜いてきた経験がある。
カッとし易い性格ではあるがその実冷静な判断も兼ね備えている。
そうでなければベルカの騎士は名乗れない。
「おらぁッ!」
「アクセルシューターが…コントロールできない…ッ!」
お互いのデバイスをぶつけ合う両者だが先程の様に真正面からというわけではない。
ヴィータは横、下、斜めと縦横無尽になのはの周りを旋回しながら細かい攻撃を加えていく。
そのためなのはも不規則な飛び方を強いられ残っていたアクセルシューターの制御まではできない。
飛行に関しては天賦の才があるといっても過言ではないなのはであるが試運転に等しい状態のレイジングハート・エクセリオンを十全に使いこなしながらリスキーな飛行はできない。
さらに言えばヴィータが普段の戦い方を捨てて細々とした戦いに徹しているのも要因にある。
本来であればその名に恥じぬ一直線な戦い方を好む彼女だが今回は主の命がある。
自分の出来得る最良の手段を用いて帰還を優先させているのだ。
もっとも、それでもなお凌ぎながら反撃の機会を狙い目を輝かせているなのはにやはり油断ならない敵だと警戒を続けながらではあるが。
(もうちょいで、ザフィーラとシグナムの傍に行ける。シャマルも近くに居んだな?)
鉄槌の騎士は、心は熱く、頭は冷静に仲間達と連絡を取り合うのだった。
「あの時は見逃して貰って悪かったね」
「優先すべきことがあったまでだ」
「とにかく、あの時の続きに付き合ってもらうよ!」
「悪いがこの身には為さねばならぬことがあるのだ」
線は細くとも鍛え上げられた野生の獣のように柔軟かつ力強い肉体と闘気がにじみ出る鋭い目。
実質剛健を体現するが如き鍛え抜かれた肉体と清廉な心を思せる冷静な目。
正反対のようでいてその本質は主の願いを叶えるという点で同じアルフとザフィーラ。
二人の主に仕える誇り高き獣達は
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