十話:セカンドコンタクト
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の局員ではないユーノであるが理解力は高い。
故に自身が内部を担当しクロノが外部を担当する理由を的確に判断していた。
内部に敵が居たとしても凌いていればAAAクラスの魔導士の援護が見込める。
しかし、外部には武装局員がいるだけだ。弱いという表現はおかしいが残念ながら騎士を相手取って戦力になる人物はいない。
つまりは外部に騎士か主、もしくは両方が居た場合は単独で相手どらなければならないのだ。
ユーノは優秀な魔導士ではあるが本来の適正的には戦闘には向かない。
そうなるとクロノが危険な外部に行くしかないのだ。
本人は執務官として当然のことをしたまでだと言うだろうが送り出す方からすれば複雑な気持ちになる。
「武器を強化してきたか……気を抜くな」
「分かってるよ」
二人の少年が動き出したその横では騎士達と魔導士達の戦いが始まろうとしていた。
騎士達としては有利な条件でもあり、騎士として挑まれた以上は無下にはできない一騎打ち。
しかし、今の騎士達にはそれ以上に大切なものが存在していた。
(主とそのご友人と鍋を共にする誓い。何に代えても守らねばな)
(もし、遅れたらはやてが悲しむかんな)
(形としては受けるが、機を見て主の元へ帰還するぞ)
はやてから下された命、夕飯に間に合うように家に帰る。
騎士としての名誉よりも大切な何でもないような些細なお願い。
そんな願いだからこそ―――守る価値がある。
「悪いがこちらに長引かせるつもりはない。覚悟してもらおう」
「前みたいに簡単にやられない…ッ」
移動する時間すら勿体ないとばかりに動くことなく剣を構えるシグナム。
呼応するように進化した相棒を構えるフェイト。
一呼吸の間の後に両者の刃はぶつかり合う。
金属が擦れ合う耳障りな甲高い音が響き二人の鼓膜を揺らす。
「負けない!」
「言ったはずだ。覚悟してもらうとな」
金と赤紫が目にも留まらぬ速さで空を駆ける。
幻想的な光景を創り出しながら二人は夜空に火花を散らしていく。
一太刀、二太刀と交わすごとに相手の力量がデバイスを通して伝わって来る。
思わず戦いの誘惑に流されそうになるがシグナムは己が今すべきことを見失わない。
「残念だ。もっと斬り結びたいがそうもいかない」
「逃がさない。プラズマランサー―――ファイア!」
結界脱出の糸口を探すために距離を取るシグナムにフェイトは複数の雷撃の槍を撃ち出す。
それをただの一振りで全て弾き返す。
しかし、その槍は消えない限りは追尾機能が働き続ける代物だ。
すぐさま軌道を修正し再び襲い掛かる槍にシグナムは好戦的な笑みを浮かべる。
「レヴァンティン」
『Sturmwinde.』
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