第3章 リーザス陥落
第70話 ジオ戦前の休息
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出来なかったけれど、それと同等以上の事があった。だから あの時 自暴自棄にならずに済んだんだ、って今ならわかる。
そして、今回の件。
カスタムを守る為に、戦っていた。……そんな中でも 何度ユーリの事を想ったか判らない。1度、2度、……と続けて襲撃を受け、もう身も心もぼろぼろになりかかっていた。
そして、4度目になる襲撃の時、自分の命を狙う刃に晒された。
――……もう、終わってしまう。まだ 終わる訳にはいかないのに、終わってしまう。
その瞬間に、本当に世界が止まったかのように時間の流れが緩やかになった。それでも、着実に迫ってくる刃。最後の瞬間は見る事ができずに目を瞑ってしまった。
そして…… 次の瞬間に……来てくれたんだ。
「……私の想いは、あの頃から変わってない。ずっと、ずっと 変わってない。……でも アイツは、ゆぅ は鈍感、だから。……もうっ」
志津香は、枕を左手でキャッチすると、そのまま固定し 右拳で ぼこっと殴った。その枕にユーリの事を思い描きながら。
「……私は、ずっと ずっと 待っていたんだぞ? ゆぅは、判らない、判ってないって思うけど。あの頃から、ずっと……」
枕に、ユーリに語りかけるようにそう言う志津香。
普段に自分であれば、ここまで無防備な状態、例え1人ででも、見せる事はないだろう。だけど、今 見せているのはさっきの事があったからだ、と言う事はわかる。
今は精神が昂っていて 周囲の気配にかなり敏感になっているから 今回ばかりは この場には誰もいない、と言う事がわかる。忍者顔負けの鋭利な感覚、索敵能力である。
想うのは ついさっきの事。
かなみと入れ替わる様に、ユーリの前へと向かった。タイミングを示し合わせていた訳じゃない。ただ、なんとなく 終わったんだ。と思ったからだ。
『……お疲れ様、だ。志津香。ハイパービルでは 随分と心配をかけてしまっていたな。……今更だと思うが謝っておくよ』
『……良いわよ。ゆぅも、シィルちゃんも、皆も無事、だったんだから。(サテラの事は複雑だけど)』
ユーリの顔がいつもよりどこか、穏やかになっているのは気のせいじゃないだろう。かなみとの事があったから だと言う事はわかる。少なからず嫉妬心もあったけれど、同時に感謝もあった。……こんなユーリの顔が見れたんだから。
『……オレに言いたい事、って言うのは』
『ゆぅ』
『ん?』
志津香は、ゆっくりとユーリに近づいて、右手で拳を作る。そして、ユーリの胸にとんっ と当てた。
『……カスタムに、ゆぅが来てくれた時の事、私は今も鮮明に思い出せる』
『……………』
ユーリはそれを訊いて、
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