第3章 リーザス陥落
第70話 ジオ戦前の休息
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直、オレには勿体無いくらいだ』
ユーリはそう言って笑った。
かなみは もう一度涙を拭った。
『あ、……その、志津香の言葉も、訊いて上げてください。志津香の想いも、とても、とても大きいので』
『……ああ 勿論だ』
かなみは そう伝える。
志津香は 自分の事を考えてくれて 今、離れてくれているから。かなみは、志津香の想いの大きさも、知っているから だから 彼女の名がここで出たんだ。
今回の自分の想いは、伝える事が出来たから。
だけど、勿論今回のだけで満足している訳じゃない。ユーリが言うようにまだ 終わった訳じゃないから。まだまだ、伝えたい事は多いから。
恐らく、いや 間違いなく、こう言う状況を作ったミリが期待? していたのはそっち側だろう。……流石に 今は まだ無理だった。
だけど、全てが終わったその時に……。
そして、場面は元に戻る。
枕に顔を埋めるかなみ。
当時の、ユーリの顔が頭の中に浮かんで、焼きついて離れない。
「〜〜っ///」
どうしても、離れない。両足をバタバタと蹴り、何とか興奮を抑えようとするが、中々静まらない。だけど。
「(あの時、ほんと……ほんと 頑張ったんだよ。わたしっ。……だ、だから)……ま、負けたくない、なぁっ。……あ、志津香は、どうだったんだろう。やっぱり、気になっちゃう、かな」
志津香の事を考える事、そのおかげもあって、少しずつ、だけど 興奮も紛らわせる事が出来た。
まだまだ、ライバルは多い。多すぎる、と言っていい。最近の発覚ではメナドもその1人であり、物凄く複雑だけど、志津香との関係もとても良いから、そこまで……は思わなくなりつつあった。
「はぅぅ…… つ、次 どーやって顔を合わせれたら……」
新たな問題が浮き彫りになりつつ、かなみは その休息の間 ずっと 葛藤を続けていたのだった。
〜志津香 side〜
――しっかりと休息を取れ。
確か、ずっと アイツは言っていた。皆にずっと。何度も何度も。
自分は ずっと動いているくせに。……町の皆や リーザス、自由都市の為に戦っているくせに。……一番大変で疲れていてもおかしくないくせに。
志津香は、ベッドの上で仰向けになり、枕を ぽん、ぽん、と上へと投げてはキャッチを繰り返していた。
また、アイツと、ユーリと出会えた時、本当に嬉しかった。
カスタムの町の事なんか、考えずに 自分勝手に迷惑を掛けていたあの時。周りなんか なんにも見えていなかったあの時、また 出会う事が出来た。本懐は達成する事が確かに
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