暁 〜小説投稿サイト〜
ランス 〜another story〜
第3章 リーザス陥落
第70話 ジオ戦前の休息
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勿論 出来る範囲で、だが」
「有難い。我々も死力を尽くしましょう。本日は これにて終了と致します。何か有りましたら、直ぐに皆に伝令を寄越しますゆえ、十分な休息をとって頂きたい。……ユーリ殿達は 相応の事を成し遂げてくれたのですから」

 それは、バレスからの厚意だった。
 無下にするのは 忍びなく思う。メナド達が言う様に 軍人が 頼ってしまう。冒険者に頼ってしまうと言う事、それは 『自分達が情けない』と思うと同時に、それ以上に 申し訳なさが頭に浮かぶのだ。
 国を守る為に組織されているのが、各国の軍隊。だが、それを打ち破られた挙句に 他国にも侵攻を許してしまっているのだから。

 全ての始まりはリーザスからだったから。

 リーザスの総大将である バレスが 強く想っている事は判る。表情にこそバレスは出さないが 間違いなく メナドやハウレーン達以上に。

「ああ。それは 有難い。カスタムの皆にも伝えておくよ」
「……かたじけない」
「ん? それは こちらのセリフ、なんだがな」

 ユーリが察した事を、バレスも察した様だ。頭をゆっくりと下げていたから。

 ユーリは、それを見て笑いながら 手を振り 出て行った。
 


 そして、その道中で。

「ユーリ」
「ん? ああ。清。どうした?」

 ばったりと出会ったのは、自分よりも先に出て行った筈の清十郎だった。

「次のジオの町について、だ」
「ああ。中々に厄介な場所にあるからな。色々と注意はしておいた方が良いだろう」

 ユーリは、地形を思い出しながらそう言う。
 ジオへと行くには、ホッホ峡を通らなくてはならない。この場所が地形的にも見通しが悪く進軍するには 不確定要素が多いのだ。待ち伏せをするのであれば、高低差があるから し易いと言えばそうだが、逆であれば 誘導され 一気に殲滅される可能性だってある。
 プチハニーや破裂玉を惜しみなく使ってくる連中だから。

 そして、よしんば無傷で ジオにたどり着いたとしても、ジオはリーザスと自由都市の国境付近。直ぐ傍、北側にはリーザス領のオクの町があり、ジオ攻略を手間取ってしまうと、援軍が送り込まれる可能性が高い。迅速に奪還し、オクへと追い返すのが一番理想的だ。

「ふむ。……オレもこの国の地形については詳しくはない、が。ユーリの言葉を訊いて、大体間違ってなかったな」
「なんだ。既に叩き込んでいたのか」
「時間が少ないとは言え、地形的条件を全て知るのは戦の基本だ。使えるものは何でも使わなければならんだろう? ……ただの修行、修練の為の個人の戦いであれば、必要は無いが、今はそうもいかん」
「はは。清らしいな。……っと、そうだ」

 ユーリはあることを思い出しながら清十郎に訊く。それは、清十郎が
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