暁 〜小説投稿サイト〜
レインボークラウン
第二百七十四話

[8]前話 [2]次話
              第二百七十四話  水だけに
 春奈は魔法の練習を終えてからだ、晩御飯を食べてお風呂に入っている時に一緒にいるイーとリャンにう湯舟の中で尋ねた。髪は今は後ろで束ねていて眼鏡は外している。
「私何か魔法の温度を調整しようとしても」
「魔法だけでなく」
「周りもですね」
「温度を変えていますね」
「どうも」
「華奈子ちゃんは火の魔法を使うけれど」
 春奈はここで華奈子の名前を出して話した。
「別に周り熱くなったりしないのよね」
「火でもですね」
「あの人の場合は」
「ええ、けれど私はね」
 春奈はというと。
「これまで水を出しても温度を変えてこなかったせいかしら」
「その調整が、ですね」
「周りにも及んでしまって」
「周りの温度も上下させている」
「そうなっていますね」
「だから貴方達は寒くなって」
 そして、というのだ。
「お水の温度を上げた場合は」
「その魔法はまだ、ですが」
「それでもですね」
「その場合はやはり」
「周りの温度が上がりますね」
「今のこのお風呂場みたいになるわよね」 
 熱くなってしまうとだ、春奈は自分から言った。
「やっぱり」
「はい、そうなるでしょう」
「やはり」
「そうよね、だから温度はね」
 それこそとだ、春奈はあらためて言った。
「お水だけにね」
「していく様にですね」
「努力されていくのですね」
「貴方達にも皆にも迷惑をかけない為に」
 春奈はその優しい目に決意を込めて言った。
「そうしていくわ」
「はい、では明日もですね」
「魔法の練習をされて」
「そうなる様にしていく」
「そうされますね」
「ええ、今は駄目でも努力していれば必ず出来る」
 今田先生と今日子先生がいつも皆に言っている言葉だ、春奈はここでこの言葉を思い出して言ったのだ。
「だからね」
「はい、続けていく」
「そうしていきましょう」
「そうしたら出来る様になるから」
 お風呂の中で誓うのだった、イーとリャンもその主の決意に暖かい心で頷いた。そうして次の日も練習をするのだった。


第二百七十四話   完


                       2015・9・19
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ