§67 船頭多くして船山に登る
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汗を流し後ずさる。うんごめんなさい。あの時は正直若かった。ドン引きした玻璃の媛の表情とすごくどうでもよさそうな黒衣の僧正、肩をすくめる茨木童子達を余所に酒呑童子と須佐之男命、黎斗の三人で朝まで語り明かしたものだ。翌日、飲みすぎたせいで須佐之男命の部屋がゲロまみれになり玻璃の媛がしばらく家出したのが遠い過去にすら思える。いや実際数百年前だけど。
「そういや酒にトラウマ抱えてた酒呑の大将に無理やり一気させてゲロ吐かせたんだよなぁ……」
一歩間違えばガチで乱闘だった。※お酒の一気飲みはやめましょう
「流石マスター。現実逃避とは余裕ですね」
「エルちゃん、突っ込んだら負けだよ」
みんなの言葉を背に、黎斗は黙って布団に包まった。
○○○
「漆黒螺旋の奈落戦団とか」
「何ですかそれ」
「どうしたらそんな読み方になるのさ」
「王よ、流石にその名乗りは……」
三者三様の否定をされる。
「解せぬ」
滅茶苦茶心にクるものがあるじゃん、などと思いながらも取り下げる。これが大人の対応!、などと阿呆なことを考えながら既に考えておいた別案を出す。
「愉快痛快幽世団」
「ふざけすぎですよ」
うん、ごめん。自分でも正直そう思う。
「全日本引きこもり連盟。略して全引連」
「……ビアンキさん何か案あります?」
あまりにくだらない案を出し続ける黎斗に業を煮やして、エルがビアンキに話を振る。
「魔王陛下の奴隷達」
即答する。が、その中身は残念極まりない。
「この人もダメだったー!?」
羅濠教主なら。羅濠教主ならきっと……!! そう思って希望を向ければ
「お義兄様とその下僕」
「……流石に二番煎じはねーわ」
思わず真顔で突っ込んでしまう。
「なっ!? に、にばっ……!!?」
顔を真っ赤にする羅濠教主。何気にこんな教主はレアかもしれない。高木辺りに売りつければゲーム貸してもらえないだろうか?
「†デウス∞クルセイド†〜漆黒の昏き神威征伐者〜」
ドニの発言は発言で痛い。いや、厨二病患者が他者のセンスを痛いと表現する日がこようとは。
「†ってどう発音すんだよ」
「うーん。やっぱダメかー。黎斗こういうのすごい好きそうだと思ったんだけどな」
ごめんなさい痛いから名乗りたくないけどそういうのすごい好きです!!
「ドニ……私の思考を読むとは。貴様が私の倒すべき真の敵なのかもしれぬな」
思わず厨二っぽい台詞で返してみれば。
「うん? まさか敵認定してくれたのかい!!? ここで今すぐ殺っちゃう!!? 殺っちゃう!!?」
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