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ハイスクールD×D 黒龍伝説 10
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を相手にするのは不可能だ。バイクがサイラオーグさんと衝突する寸前でオレはバイクから飛翔する。それを見てサイラオーグさんが自分の過ちに気付いた表情を浮かべながらバイクを受け止めた。その次の瞬間には、サイラオーグさんの背後から背中合わせにエクスカリバーとアロンダイトを突きつけるオレの姿がある。さらに次の瞬間には鎌がオレの手元に戻ってくる。

「勝負ありですね」

「……ああ、オレの負けだ。また、負けてしまった」

道具を全て影に収納してサイラオーグさんに向かい合う。

「今まで戦ったことのない相手でしょう、オレは」

「手が全くわからない。正面から普通に戦っても強いというのが分かるのに、なぜそれを避けてこんな回りくどい方法をとるのだ?」

「さあ、なぜでしょうね?そう言われれば更にオレに対して苦手意識を持つでしょう?それが広まれば恐怖の域にまで達する。何をされるのかがわからない、何処までできるのかがわからない、そんな相手に敵対したいと思いますか?」

「それは……ある程度利口な奴なら避けるだろう。もしやるとすれば絶対的な天敵を用意するだろう」

「その通り。ならオレは天敵に対しての対策を構築すればいい。ある程度以下なら恐るに足らず。回りくどい行為が翻って全体的な敵の数を減らす。理にかなっているでしょう?」

「戦術が戦略に繋がり、戦略によって戦術が効果を増す。どれだけ先が見えているんだ」

「くくっ、先なんて見ていませんよ。ただ必要であるかもしれないということを事前に用意し続けているだけです。二重に考えれば良いだけのことです。もし、自分を攻略するならどんな手を使うかを考え、それに対抗するにはどうすれば良いかを考える。あとはそれを延々と繰り返すだけ。それがオレです。だが、サイラオーグさんや兵藤には合わないでしょう。あなた方はただ単に自分を鍛え続けたほうが良い。どんな敵が立ち塞がろうと、小細工ごと全てを撃ち貫く槍となれば良い。サイラオーグさんは道を切り開いて行く人です。オレはそんな人たちの露払いを行うのが役目です。オレは誰かを導くことなんてできない。だけど、導き手を守ることはできる。それがオレです」

「役割の違い。そうか、参考になった。その上で導き手として露払いの君に聞きたい。オレには何が足りていない」

これは、即答できないな。会長に視線を向けると会長も考え込んでいる。しばらくの沈黙の後、会長が口を開く。

「私の夢は今も変わっていません。その夢を、手伝ってもらえるでしょうか?」

「無論だ。ソーナの夢を否定するのはオレ自身の否定だ。喜んで力を貸すことを誓おう」

「ありがとうございます。匙」

「とりあえず色々と足りない。とりあえずは足周りの強化が最優先課題ですね。速度が足りていないですし、踏ん張
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