月下に咲く薔薇 18.
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様、既に敵の行動範囲に入っている」ロジャーが2日前のメールについてほのめかし、ZEXISにとって安全圏など何処にもない事を強調した。「ならば、むしろ積極的に動かしてみようじゃないか。先読みに長けたF.S.と彼のドラゴンズハイヴを」
「つまり、ZEXISとZEUTHは腹を括った、と受け取っていいんですね」
不意に、ミシェルが意味深な物言いをした。高ぶる感情を押し殺し、あくまで理性的に問いかけを紡ぎ出す。
「そうだ。勿論、小さな子供達を我々と同じ扱いにはしないが。万難を排して戦うのと全てを擲って戦うのとは違うからな。その配慮の上で、今回ドラゴンズハイヴを組み込む事にした。F.S.もリスクを理解した上で、怪植物の分析を申し出ている」
小さく、それは小さくミシェルが頷いた。
もしF.S.がバラを受け入れると言うのなら、クロウとしても身の内の件について確かめておきたい事がある。
「分析を始めるってのなら、俺からも1つ確認がしたい」クロウは、自らを親指で指す。「あのバラは、見た目と中味が一致しない厄介な代物だ。そいつをわざわざ分析したいって事は、成果を出す方法が手元にあるからなんだろう。俺やニルヴァーシュもドラゴンズハイヴに行かなくていいのか?」
「それは、俺も気になります」
レントンが同調し、上の考えを求めた。
「レントン、そしてクロウ」改まった様子で、城田が2人の名を順に呼ぶ。「ニルヴァーシュとクロウについては、バトルキャンプ預かりとする。これも決定事項だ。敵が仕込んだ異物について詳細な情報が欲しいのは確かだが、3本のバラ以外はこのバトルキャンプに留めておきたいのだ。…特にクロウ。君については、アイム・ライアードとの繋がりがあるので、ZEXISの主戦力が集められている場所に置いておきたいと考えている」
「…もどかしいな。そっちとの兼ね合いもあるのか」
アイムの名が出てきたところで、クロウは自分の中にある異物とバラが決して同列ではない事を悟った。他でもないクロウの中に仕込まれた意味を、上は色々と類推している。
大塚が頷いた後、カナリアが映像を切り替えた。表示されたのは、昨夜の姿勢のまま床に膝を突くニルヴァーシュの勇姿だ。
「次はレントン、君の番だ。ニルヴァーシュのコクピットで一体何を見たのかを、君の口から説明するんだ」
アムロがレントンを促すと、「はい」と良い返事をしたレントンが、一度だけエウレカと目を合わせ、真正面の指揮官達に向かって毅然と顔を上げた。
昨夜、ニルヴァーシュにどのような異変が起きたのか。如何ともし難い問題の為ダイグレンに留まっていた時、アムロがνガンダムのサイコフレームを起動させレントン達を助けた事などをかいつまんで説明する。
話は、その時の詳細に及んだ。
「サイコフレームが宇宙を見せてくれる中、ニ
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