Fate/stay night
1137話
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そうはさせじと、俺の進行を防ぐかのようにして振るわれる長大な刃。
一直線に俺の首を狙って突き進むその刃を、小さくしゃがんで回避。同時にそれを利用して地面を這うかのように前へと進む。
「っと、それはやりにくいな」
軽く告げ、後方へと……踊り場の中央から後方へと跳躍し……
ちぃっ!
跳躍しつつ振るった刃が、頭部目掛けて降り注ぐ。
迫り来る危機感に従い、強引に地面を蹴って跳躍。
こっちに向かって振るわれた長刀の刀身を真横から叩きつけようとした瞬間……ひょいっと刀身が場所をずらし、こっちの攻撃を回避する。
そのまま一旦距離を取って着地しながら口を開く。
「相変わらず厄介な奴だな。ステータスの意味ってのを少しは考えたらどうだ?」
その声が不服そうになってしまうのは、ある意味で当然だろう。
そもそも、俺のステータスはアサシンとは比べものにならない程に高い。
その上で対英雄の効果も発揮されている筈であり、ステータスな面で考えればこれ以上ない程に俺の方が有利なのだ。
だというのに、こっちの攻撃は回避され、それどころかカウンター気味に攻撃を放ってすらくる。
非常に厄介極まりない相手なのは事実だ。
けど……前回と違ってここで時間を費やす訳にはいかない。
幾らキャスターやマスター達が出てくるのを予想しているにしろ、出来れば戦うべき人数は少ない方がいい。
つまり、可能であればアサシンを倒してしまえば、俺達は圧倒的に有利になる。
「もう少し戦いを楽しみたいような気もするけど、残念ながらそうも言ってられなくてな。悪いが、そろそろ勝負を付けさせて貰うぞ」
呟き、拳を硬く握り締める。
当たれば間違いなくアサシンの皮膚を破り、肉を裂き、骨を砕く。そんな威力を持った拳。
「ほう、確かにお主からは強者の気配がこれでもかとばかりに伝わってくる。いいだろう。ならば、こちらもそれに相応しい手を出そう」
そんな俺の様子を見て、アサシンの気配も一変する。
今までは戦いを楽しむといった様子だったのが、その長刀を手に一切の意思を感じさせない……もしくは、周辺へとその意思が広がっているかのような、そんな感じ。
その構えを見た瞬間、俺の中にある念動力が危険だというのをこれ以上なく知らせてくる。
この念動力を取り戻してからはそれなりに経ってはいるが、今まで感じた事もないような程の危険。
どうやら、ブラフの類ではないらしい。
「行くぞ」
「来い」
お互いに交わす言葉はそれだけであり、他には何もいらないとばかりに地面を蹴る。
俺がアサシンの間合いの内側に入るのが先か、それとも奴の長刀が振られるのが先か。
「秘剣、燕返し」
静かに囁かれたその言葉と共に、危険を察
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