Fate/stay night
1137話
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を重視してくるような相手は絶好のカモでしかない。
それは間桐家の蟲倉で纏めて蟲を吸収した事でも明らかだろう。
「なら……行くわよ。今日がこの聖杯戦争で初めてサーヴァントの脱落する日にするのよ。それも2人分ね」
「ああ、任せろ。この戦いが終わったら、何かいいことがあるらしいしな。それを楽しみにして戦いに挑ませてもらうさ」
「もうっ、……馬鹿。ほら、行くわよ!」
どこか拗ねたように凛が呟き、そのまま階段を上って柳洞寺へと向かう。
そのまま暫く、一応ということでキャスターの作り出す骸骨やそれ以外の何かに襲撃されるかもしれないと警戒しながら進んでいたんだが……結局は何かに襲われるようなこともないまま、山門へと到着する。
「まさか、本当に一切の邪魔がないとは思わなかったな。……さぁ、出てこいよアサシン。今日という日をお前の命日とさせて貰おうか」
「ふむ、誰が来たのかと思えば……折角冬の月を愛でていたというのに、無粋なものよ。いや、お主程の相手と戦えるのだ。ここは、寧ろよく来てくれたと歓迎すべきかな?」
シャラリ、と背負っている長い鞘から刀を……長大な刀を抜き、楽しげに呟く。
「そうだな。そう言ってくれるのなら俺も来た甲斐があるってものだ」
俺もまた、刀を構える小次郎を相手にして拳を構える。
凛は踊り場から少し離れた場所で宝石を手にし、キャスターや、それぞれのマスターが姿を現しても対処出来るように準備をしていた。
「……けど、お前のマスターやキャスターはどうしたんだ? 全く出てくる様子がないが」
「うん? ……さて、どうしたのやら。あの者は色々と気紛れだからな。女というのもそのようなものらしいぞ?」
この言葉から考えると、アサシンのマスターも女なのか?
いや、ここで迂闊な事を考えるとこっちの命取りになる。
その辺は油断せずに戦いを進めるとしよう。
「さて、ご託はもういい。どのみち俺とお前がサーヴァントである以上は戦うという選択肢しか残っていないのだから。……まさか、大人しく降伏したりはしないだろ?」
「ふふっ、冬の月明かりの下で命を懸けて戦うか。それもまた、風流というものかもしれぬな。……では、今宵の宴を始めよう」
山門前の踊り場で、お互いに相手との距離を取る。
そうやって向かい合って隙を窺いつつ、凛へと念話を送る。
『凛、前もって決めておいた通り、キャスターや敵のマスターが来たらすぐに教えてくれ』
『ええ。じゃあ私はそっちに専念するわ。アークエネミーの戦いには参加出来ないわよ?』
『分かっている』
短く言葉を交わし……同時に、冬の山に冷えた空気の風が吹く。
それを合図にしたかのように、地面を蹴ってアサシンとの距離を縮めて行く。
当然向こうも
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