鍋は冷やしてからが本番なの
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」
「 とまぁ、そういうことよ 」
「 ...ランちゃん 」
「 『 凍らせたらもっと美味しくなるかも 』なんて言わないでよね 」
「 うぐっ、なんで分かったの!? 」
「 だって結だし。 」
「 なんか酷い! 」
「 冗談よ(半分ね)。凍らせちゃうと温めた時に野菜の細胞が崩れてべちゃ〜ってなるの 」
「 美味しくないの? 」
「 私は好きじゃないわ 」
「 ふーん 」
「 何よ? 」
「 なんでもないっ! 」
「 そうね 」
段々と気温が下がり、家の中ですら吐息が白む季節が近づく。
何をしたわけでなくとも哀愁が漂うこの季節に、一緒に鍋を囲んでくれる存在。
言葉にするには恥ずかしいが、その気持ちは確かに伝わっているだろう。
「 ラン〜?ボーっとしてると全部食べちゃうよ!? 」
「 そうね。冷めないうちに私も食べないとね 」
「 うん!一緒に食べよ! 」
冬が近づく秋空の下で、私は鍋に箸を伸ばした。
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