少女との出会い編
貴族の悪戯
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「すみません、登録したいんですけど」
私が書類を整理している時、彼女は言った。
こんな時期に登録か、珍しいな
そう思いいつもの営業スマイルでその彼女を見て
「はい__________ってお嬢ちゃん本気なの?」
「ん」
私は目を疑ってしまった。多分10歳くらいの女の子がそこにいたからだ。
大体冒険者の平均年齢は30前後
最少年代でも13歳ぐらいなのだ。
それをこの女の子は10歳くらいで冒険者になろうとしている。
「…本当(マジ)ですか?」
私が少し考えまた問いかけると少女は当たり前、という顔で
「冒険者に年は関係ない」
と言った。
そうでした。冒険者に年は関係ありませんでしたね。わかりました。
「…わかりました。ではそちらの水晶に手を触れてください。」
私がそう告げると少女はそれに従うように水晶に触れる。
その瞬間機械からギルドカードが排出され、受け取る。
そこにはキャロ・ショハマ 11歳と書いていた。
「はい、登録完了しました。これが貴女のギルドカードです。キャロさんはただいまGランクなのでFランクまでの依頼を受けることができます。」
「わかった、ありがと」
キャロさんにギルドカードを差し出そうとした瞬間
「ちょっとまったぁぁぁ!!!」
ギルドに大声が響いた。
「ラキド様、ここは公共施設です。お静かにお願いします」
私はまたか…と思いながら大声で叫んだ男性に注意を促す。
この男はラキド・パーカー
貴族であり、親の臑齧りで弱い者に突っかかっては問題を起こす男である。
「あぁん?黙ってろよクソアァマ、おい、小娘、ここはてめえみたいなお子ちゃまがくるようなところじゃねえんだよ、登録をやめてママのおっぱいでも吸ってやがれ、落ちこぼれの白猫族が!」
ラキドが大声で叫ぶと周りの冒険者も「そうだ!」「冒険者を舐めんな!」「帰れ!白猫族!」と罵倒し始めた。
私は冒険者達を静めようとし、口を開こうとした瞬間
__________背筋が凍った。
当てられただけで冷や汗が止まらなくなるほどの殺気がキャロの体から漏れ出ている。
こんな少女がこんなに洗練された殺気を出せるのだろうか。どんな人生を送ってきたのか気になってしまった。
「その黒い剣を俺に差し出して俺の奴隷になるんなら、冒険者になることを許してやろう。ほらはやくしろ!」
偉そうに叫んでいるラキドには気づかない。しかし周りの罵倒していた冒険者達は殺気に気づいたのか次々と黙って行った。
危険を感じたのだろう。本来仲介をするべき私でさえも黙ってしまうのだから。
「…貴方…何族」
「あぁん?てめえ白猫族のくせに人族の俺に種族を聞くとはいい度胸してんじゃねえか」
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