暁 〜小説投稿サイト〜
逆さの砂時計
歯車を止めて
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ぁ……黒の悪魔ベゼドラ。かつて私が封じた、私を憎む者。私を殺してくれるかも知れなかった力を持つ一人。
 「! ベゼドラに手を出すな! 関わるな!!」
 ……解ってるわ。彼の力ではもう、私は殺せない。だから、私から遠ざけたのでしょう?
 「もう嫌なんだよ。誰かが死ぬのも傷付くのも! ベゼドラを傷付けるな! 絶対に殺すな!!」
 ……私には『』を止められない。『』を止めるだけの力を持つ存在は、どの世界にも無い。だから『』が彼に接触するのを、私では止められないわ。
 「役立たず!」
 ……ごめんなさい……。
 「……ベゼドラに閉じ込められた地下室は暑くも寒くもなかった。なのに、暖かい筈のこの空間は、陽光に満ちたこの場所は寒い。寒くて冷たくて震えが止まらない。もう嫌だ。もう嫌。こんな所は嫌いだ。誰か私を殺して。『』を止めて。止められないって言ったクセに! それでも」

 誰か、私を……


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