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ソードアート・オンライン もう一人の主人公の物語
■■SAO編 主人公:マルバ■■
ありふれた冒険譚◆初めての絶望、そして希望
第十三話 レクチャーその二、『パニック制御』 そしてケイタの理想
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隊列だ。逃げられない強敵に歯向かう時用に、できるだけ死亡率を下げたもの。逃げられる時はさっきやった方法で逃げるのが一番だけどね。はい、サチ」
「転移結晶が使えないなんてことあるの?」
サチが律儀に手を上げてから質問する。

「『結晶アイテム無効化エリア』なんていう最悪の場所が存在する。それも、大抵狭い通路だったり、戦いづらい場所に存在することが多いんだ。しかも、結晶アイテムを使ってみるまでそこが無効化エリアかどうかは分からない。」
険しい表情で伝えるマルバ。というのも、以前マルバは無効化エリアで死にかけたことがあるのだ。ハイディングを習得していなかったら今頃ここにはいなかっただろう。レッドゾーン少し手前のHPゲージの横に浮かぶハイディングレートの表示が刻々と下がるのを見つめていたときは生きた心地がしなかった。

「話を戻すね。ええと、それじゃ今日はこれから第十層の洞窟系ダンジョンの中にあるアラームトラップで訓練。分かっていてもアラームトラップを引いた時はかなりパニックになるから、さっき言ったように隊列を崩さないように気をつけてね。敵の攻撃に隙ができたらダッカーはすぐに転移結晶を使うんだ。転移先はこの街でいい。」
黒猫団の皆は真剣な顔で第十層に向かった。






五日目。

「それじゃ、今日までのレクチャーのおさらいをしながらレベリングしますか。特にダッカーのレベルが低めだからみんなと合わせるようにしないといけないしね。午後まで第十五層のフィールドダンジョンで、ダッカーと僕、他のみんなに分かれて訓練ね。」
「ちょっ、なんでオレだけ!」
「だから、君だけレベル低いんだってば。一昨日とその前の日もみんなは『見切り』の訓練も兼ねてレベリングしてたんだから。」
ちぇっ、とつまらなそうな顔をして舌打ちするダッカーのレベルは確かに黒猫団の平均レベルより3つほど低い。レクチャー二日目と三日目はマルバの勧めで第二層で体術の訓練をしていたからだ。短剣使いは連撃が命。体術スキルを学んでおけば連続技の後さらに追撃ができるのだ。もちろん、直後のディレイには十分気をつける必要があるが。

「それから、ダッカーは今日一日、短剣禁止ね。体術スキルの訓練も兼ねて、素手で敵を倒すこと。今日中にスキル熟練度100を目指すよ!『閃打』だけじゃ戦いも大変だし、『玄燕』は無理でも『双牙』くらいは使えるようにしておかなきゃ」
「りょ、了解……」
さらに肩を落とすダッカーは渋々マルバに従って他のみんなが行くダンジョンではなく少し難易度の高いダンジョンに向かう。





六日目。

キシェエエエエエェェェッ!!
「ひやぁっ!」
サチは叫び声を上げたカマキリのモンスターから思わず一歩下がる。が、その背中をマルバが支えた。
「しっかりし
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