√明久
そんな気がするの
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っている。ちょっとだけ圧倒されている私であった。まさか、命を狙われている?私を人質にとってお祖父様を恐喝する気か?!
「そこまで知っている人には初めて会った。なんでそんなこと知っているです?」
「……このくらい余裕」
やばい、やばいこの人。いくら吉井君の友達だとはいえ、少し警戒した方が良さそうだ。
「まさか、無津呂家の財産狙ってるです?人質する気です?」
「……そんなわけないだろう」
「ミステリアス、ミステリアス」
財産を狙っているわけでもないのになんで私のことをなんでも知っているんだろう?なんでも知っているならなんでも知っているのだろう。あの事について聞いてみよう。
「じゃあ、私のバスト知っているです?最近妙に大きいのです」
「……お前は何を言っている?!女子だったらそんなことを気軽に言うな」
鼻血を流しながら卓袱台をバンバン叩いて説教をしてきた。なんだ、この人は面白い人そうだ。少なくとも、悪い人ではなさそう。
「君がなんでも知っているって言うから聞いてみただけです」
「……知っていても言わない」
この人はいつまで鼻血を流しているつもりなんだろう?
「君、鼻血止まらないです?ティッシュを上げるの。早く止めないと失血するよ」
「流石ムッツリーニ、会話10秒で既に鼻血モードか……。恐るべし依子ちゃん」
「……ありがとう。もらっておく」
制服にポケットティッシュを入れて良かったな、と思った。入れておいた、というよりはお母さんに無理やり突っ込まれて偶然持っていただけだから本来ならティッシュなんてポッケに入れないんだけど。
「うんうん、どうぞどうぞー」
「依子ちゃんが可愛いからって鼻血だしちゃって。僕みたいに依子ちゃんの席の隣だったら毎日輸血パックが必要だね」
「輸血パック……?病気なの?」
「いや。そういうわけじゃないんだけどね……」
「君はいつからそうなってしまったんだい?」
「……依子ちゃんがいなくなってから3年後くらい」
「私は昔も今と変わらず、ずっといるじゃないの」
少し哀しそうな顔をして視線を下に落とした。そしてさっきと変わらずカメラのレンズを拭いて綺麗にしていた。まるで私と昔からの知り合いのように、この人はそういった。それとも私と同じ名前の子がいるのだろうか?そういう風には聞こえなかった。私はこの人と昔から知り合いだったのだろうか?そんなことはないと思うのだけれど――謎のままクラス代表の子のところに向かった。
「坂本君」
身長が高すぎて肩を叩くことが出来なくて、裾を少し引っ張った。
「ん、どうした?」
「あ、いや……。特に用事はないんだけれど」
「そうか」
柄が悪く見えるから少し怖い。下手なことを言ったらクラス代表ということで先生も黙認のいじめが始まるかもしれない。
「今、坂本君って言った
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