35話 ≪仲間の意味≫
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って間もない私の事も仲間だと云っていた。───つまり彼は、単純なのか」
「フフ、良くも悪くもそうなのじゃろうな。おぬしもなかなか判っておる」
マゥスンの言葉に思わずフライヤは苦笑し、サラマンダーは苦虫を噛み潰したように云った。
「だとすると、単純な思考の奴に俺は二度も負けたのか……。納得し難いもんだ」
「先程のように、積極的に疑問を投げ掛けてみると良いぞマゥスン。おぬしは聴かれた事に対しては話すようじゃが、自分から話そうとせぬからの。……私は飾り気のないジタンと行動を共にしていたら、少しばかりお喋りになったものじゃ。"お前はもう少し、物静かな女だと思っていた"と、サラマンダーに云われたくらいじゃからのう?」
「さあな、俺はそんな事云った覚えはねぇ」
「 ………。フライヤとサラマンダーは、仲が悪いのか?」
「悪くはないと、私は思っておるぞ。更に仲を深めるには、今少し時間が要るとはいえ背中を預け合える仲にはなれそうじゃな」
「俺はこれ以上、どうこうするつもりはねぇぞ」
「 ───仲を深めた先に、なにがしかの恩恵があるという事だろうか」
「損得勘定で深めて行くものでもないじゃろう。互いを認め、許し合える仲になるのは理想だが、強要すべき問題ではないからの」
「 ………… 」
フライヤの言葉をどう捉えたのか、マゥスンが再び沈黙した所でサラマンダーが付け加えた。
「難しく考えるな。いきなり仲良くやってこうなんざ、面倒なだけだ。……お前のペースでやって行きゃあいい」
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