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遊戯王ARCーX 〜波瀾万丈、HERO使い少女の転生記〜
二十一話 ー揺れる眼差し、ですー
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LDS襲撃事件から既に数日が経ち、優希は平穏な日常を取り戻していた。
だが真澄含め、いつもの三人は例の襲撃犯ーー黒咲 隼と言うらしいーーから受けたダメージが完全には回復しておらず、もう少し療養が必要らしい。だが、舞網チャンピオンシップには問題なく出場できるとのこと。
真澄に至っては、襲撃事件の事に対して何も感じていないのか首洗って待ってなさいよね!と優希に宣戦布告するあたりかなり元気である。
そして、現在優希はと言うと……
「なぁ、優希よ。少し考え直してみないか?」
「…………」
応接室で塾長と二人、向かい合って話し合いをしていた。真剣な話をしているらしく優希はだんまり。塾長もいつもの熱血ぶりは何処へやらだいぶ落ち着いている。
「確かにお前は強いし、うちに居てもデュエルの腕が上達するわけじゃないかもしれないが……」
応援ややる気を出させる事はともかく、説得や心理戦などが苦手である塾長はなかなか優希の意思を変えられず、困ったように後頭部を掻いていた。
「お前が辞めれば、きっと弟くんや他の奴らも悲しむぞ?それにデュエルだって強くなる事だけが全てじゃないだろう?」
「はい。けど、何言われても意思を変えるつもりはありませんので」
いつになく冷静な態度で塾長に返答すると席を立つ。そして、踵を返し、出口へと向かう間塾長が何か言った気がするが、全て無視をする。そして、扉の前まで来ると振り返り一礼
「……短い間でしたが、お世話になりました」
「おいおい、今生の別れじゃないんだから……」
暗いトーンの塾長の声を聞き流しながら、ドアノブへと手をかける。そして、いざ去ろうと開けた途端……
『おわっ!』
「グェッ……??」
驚きの声と共に人が雪崩のように倒れ込んでくる。盗み聞きをしていた事は火を見るよりも明らかだ。
他の連中に押しつぶされた遊矢から情けない声が聞こえてくるが報いなので無視する。
段積みになって倒れている人山に冷やかな視線を向け見下ろしていると、一番下で押しつぶされていた遊矢がもぞもぞと動き出し山から抜け出すと機敏な動作で優希の両肩を捕らえると問い詰める。
「お、おい!優希!おまっ、遊勝塾辞めるってホントかよっ??」
余りの剣幕に表情を引きつらせるが首を縦に振り、発言を肯定する。だが、それが余計に遊矢をヒートアップさせる。
「お前、あれだけジュニアユースを楽しみにしてたじゃんか!なのになんでこの時期に……。確かに色んな召喚が使えるし、こんな塾で学ぶ事なんかないと思うけど、「オイ、コラ!」……うげっ」
こんな塾呼ばわりした遊矢が塾長のゲンコツをもらい、頭を抑える。アレは痛そうだなーと楽観的に考えている一方で、痛みで冷静になったのか遊矢は慎重な
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