九話:進みゆく歯車
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そして、今それが完了したので退避しているのだ―――上空から降り注ぐ味方の攻撃から。
「ヴィータ、上だ!」
「なッ!?」
「スティンガーブレイド! エクスキューションシフト!」
青白い光を放つ魔力刃がクロノの周囲に展開しておりその数は100を越える。
その様はまさに剣の軍隊。
剣の軍隊による一斉射撃。種類としては中規模範囲攻撃魔法。
連射性ならばフェイトのファランクスシフトの方が上を行くだろうが、その形状が示すように貫通力ならば遥かに上回る。
また、魔力刃は防がれると爆散するようになっており相手の視界を奪う効果もある。
武装局員が強装結界の強化・維持の為に散開した隙をつかれないようにする狙いもある。
クロノは個人戦ではなくあくまでも集団戦として戦っているのだ。
「ちぃッ!」
先手を取られたザフィーラは思わず舌打ちをして片手でバリアを創り出す。
後ろにはヴィータがいるためそちらにも気を割かねばならない。
この攻防に関してはザフィーラの不利。
だが―――それがどうしたというのだ?
この身は盾の守護獣。常に己の背に守るべき主と仲間を背負い戦ってきた。
ならばこの程度の攻撃、どうということはない!
「どうだ。少しは……通ったか?」
クロノの問いに答えるように爆煙が去って行きザフィーラとヴィータの姿があらわになる。
ヴィータは盾の守護獣の背の後ろにいたために掠り傷どころか服の汚れすらない。
だが、全ての攻撃を受け切ったザフィーラは違った。
防ぎきれなかった鋭利な刃が三本、彼の右腕に刺さっていた。
「ザフィーラ!」
「心配するな。この程度―――痛くもかゆくもない!」
筋肉の収縮のみで刃をへし折る姿にヴィータはホッとして笑みを浮かべる。
一方のクロノはダメージがなかったかと冷静に判断しながら愛機S2Uを握りしめる。
クロノの目的は何も攻撃をすることではなかったのだ。
自身が囮になり武装局員が結界の維持・強化やそれぞれの配置につけるように時間を稼いでいたにすぎないのだ。
この場で為すべきことが相手を逃がさない事だった以上、ここまでの展開はクロノの思惑通りに進んでいると言えるだろう。
後は二人の騎士を捕縛するだけである。だが、それこそが最も難しいのも事実。
どう戦うべきかと頭脳をフル回転させている所にエイミィから通信が入る。
【武装局員、十名、配置完了。オッケー、クロノ君!】
【了解】
【それと助っ人を転送しておいたよ】
【助っ人? ということは……】
クロノがチラリと目を斜め下に向けるとそこには予想した通りに二人の少女が立っていた。
高町なのは、フェイト・テスタ
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