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英雄は誰がために立つ
Life19 運命 他自分の記憶、第二の転生者
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女難の相があるのは知っているが、まさかエルメロイの姫(コイツ)に目を付けられるとは・・・・・・同情を禁じ得ないな)
 「何か言ったかな?兄上殿?」
 「いや、何も無い。顔を見せろとは頼んだが、そろそろ出迎えの一つでもしに行こうか。いつも魔術協会(我々)の方が世話になっているし、苦労を掛けている身だしな」

 女の勘でも働いたのか、ライネスの質問に何でもないふりをしながら誤魔化す意味もあっての提案をした。
 しかしその程度の誤魔化しが効くような相手では無い。常の時であればだが。

 「そう・・・・・・だな。シロウを出迎えると言うのも、たまには悪くないかな」

 ロード・エルメロイU世の提案にシロウにもうすぐ会えるという期待が大きくなったのか、ライネスはその提案に賛成する。頬を僅かに朱に染めながら。
 つまるところ、ライネスもまたシロウに誑かされた被害者の1人であった。
 シロウが相手でなければ拘わらなければ、ライネスは基本的に魔術師の顔のままである。
 シロウと直接会えば、一瞬にして2桁以上の猫の皮を被り、恋をする1人の少女に変貌するのだ。
 因みに、ライネスがシロウにゾッコンなのはアーチボルド家では周知の事なのだが、当然最初は反対意見もあったが、ライネスがどのような手を使ったのか、直に消え去り反対していた人間達はライネスに近寄らなくなった。偶然出くわしても何かと理由を付けて、まるで逃げるように直に立ち去って行くようになっていた。

 兎も角、ロード・エルメロイU世の提案を採用してシロウを出迎えに行くために、2人と1体は部屋を後にした。


 −Interlude−


 「――――って事でロード・エルメロイU世(先生)のあだ――――称号に、『絶対領域マジシャン先生』が加わったんだよ。凄いだろ?ハクノン!」

 白野は今、友人と思われる少年魔術師と共に灰色の魔術師(グラウ・ツァオベラー)の管理する学術塔に、楽しく話しながら向かっていた。

 「凄いかどうかは判らないけど、怒られたろ?」

 少年とは違い、白野は半ば呆れ気味に答えた。
 因みに、タマモは霊体化でついて来ている。

 「む。確かに怒られたけど、先生はツンデレだから怒った言うよりも照れ隠しだと思う。だって俺が一晩中考えに考えた傑作モノの二つ名なんだよ!?それで喜ばれない筈がないだろ!!」

 確かにロード・エルメロイU世はツンデレな所もあるが、少なくとも今回は本気の応えだったに違いなかったと白野は思った。

 (その前にしょっちゅう怒られてるのに、その自信は何所から来るんだ?)

 そんな風に少年――――フラット・エスカルドスに向けて、呆れ気味にも思った。

 ところで話が少し変わるが『天才と馬鹿は紙一重』と言う言葉
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