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英雄は誰がために立つ
Life19 運命 他自分の記憶、第二の転生者
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たが、何故か見逃された。
 その後、決戦前夜と言うべきか、民家の老人と話す少年魔術師。
 ライダーの愛馬に跨り決戦の場に向かった先には、アーチャー――――英雄王が降臨して来た。
 かの英雄王との決戦故、最初から最強宝具を開放するが、英雄王の最強宝具によって破られてしまった。
 最早凱歌は無いと諦めた少年魔術師にライダーは言う。
 坊主とは呼ばずに少年魔術師の名で問う。
 
 『臣として余に仕える気はあるか?』

 少年は答える。

 『あなたこそ僕の王だ。あなたと同じ夢を見させてほしい』

 それを認めるライダーは笑いながら最初で最後の命を下す。
 死ぬ覚悟を持って聖杯戦争に参加した魔術師に生きろと、小さな顕示欲しか無かった少年に自分の理想の王の姿を語り継げと。
 そうして見事であり無謀な最後の疾走をするライダー。
 眼前にそびえるは数多の原典。それらの雨を受けてもなお進み続けて往くが、英雄王のもう一つの信頼に値する宝具に阻まれて遂に堕ちる。
 しかし英雄王が贈る言葉は敗者への侮蔑では無く、好敵手への称賛であった。
 その言葉を耳に入れたと同時に征服王は、口元に笑みを浮かべながら去った。
 最後の少年魔術師はアーチャーと対峙するも、王の命令を全うすると弱弱しくだが誇らしく言った彼の言葉を受けた英雄王は、彼の忠道を称賛した後に殺さずにその場を去る。
 後に残るは、泣き崩れる少年だけだった。


 −Interlude−


 「またか・・・」

 黒髪長髪の青年は、呟きながら身を起こす。
 その青年と今の夢に出てきた少年は非常に似ていた。
 あの少年が成長して行けば、この青年の様になるだろう。
 その青年は、今日の夢を時折見ていた。
 “青年とは全く関係ない夢”を。
 この青年がこの夢を見るようになって、何時頃位からか。
 そう、アレは今の名を継ぐことになった騒動を切っ掛けにしてからだった。
 その騒動を契機にこの夢を見てから、感情移入をしてしまい“彼”に憧れた。
 自分であって自分では無い存在なのに、曖昧過ぎて実在するかもわかっていない異世界の自分の話(の可能性)なのに。
 自分も同じように彼と同じ夢を見たいと思う様になった。
 それと同時に、この騒動は自分にも責任があるんじゃないかと考えう様になった少年は、追放されたわが師の家の立て直しを図る様になり、その当時の末席であった少女にある称号を送られて今はそのようになっていた。
 そんな昔の事を思い出している処に、部屋の外からドアを叩くノック音が聞こえて来た。

 『拙です。師匠、起きてますか?そろそろ朝食を取って欲しいのですが・・・』
 「ん、ああ。今、向かう」

 彼を師匠と呼ぶからには弟子なのだろうと思われる人物の返事
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