Fate/stay night
1135話
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「あら、もしかして眼鏡を掛けた方がアークエネミーの好みだったりする?」
「どうだろうな。……それはともかくとしてだ。麻帆良は何か見つかったか? 地名の方だと麻帆良ってのは特になかったけど」
「こっちも駄目ね。それっぽいのはなかったわ。となると、後は綾子に期待かしら」
溜息を吐いた凛の言葉に頷き、集められた本を片付けてからネットコーナーで麻帆良を調べている綾子のところに向かったのだが……
「これ、デジャヴって奴かしら?」
その光景を見て、凛が呟く。
「そう言いたくなる気持ちも分からないではないけど、明らかに使い方を間違っているぞ」
「……分かってるわよ」
溜息を吐きながら視線を目的の……綾子の方へと向ける。
「なぁ、なぁ。いいだろ? 俺達と一緒に遊びに行こうぜ? いい店知ってるんだよ」
「そうそう、こいつの顔って物凄く広いんだぜ? ほら、アイドルとか興味ない? もしなんなら事務所を紹介して貰ったらどう? まぁ、君みたいな美人なら、スカウトされるのもむずかしくないだろうけど」
「あたしが調べ物をしてるのは見て分かるだろ? あんた達に付き合ってる暇はないんだよ」
そこで繰り返されているのは、先程見た光景と全く同じもの。
というか、男達が話している内容も凛に話していたのと全く変わらない。
そんな男達を、綾子は手を振って追い払っていたのだが……不意にその視線が俺の方へと向けられる。
「アーク、そっちはもういいのか?」
自分達が誘っていた女が親しげに呼び掛ける声を聞けば、当然男達の視線も俺に向けられる訳で……
「げっ、またあいつかよ。あんないい女を侍らせておいて、更にもう1人とか……」
「……今日は厄日だ……行こうぜ、何だか牛丼食いたくなってきた。そうでもしないと、俺の中にある嫉妬が爆発しそうだ」
「そうだな、そうするか」
そんな風に話ながら去って行く2人の男。
本当に、何なんだろうな?
何かあのやり取りを見ていると、実は本気で女をナンパしようとしているようには見えないんだけど。
にしても……
「知的美人を好む、ねぇ」
チラリ、と凛の方を見ながら呟く。
その台詞にすぐさま反応した凛は、文句あるのとでも言いたげに俺の方へと視線を向けて口を開く。
「何よ、文句あるの?」
「いやいや、別に? 知的美人の凛はさすがだと思ってだな」
「……喧嘩を売ってるなら買うわよ?」
「滅相もない」
そんなやり取りをしていると、綾子がどこか呆れた口調で話し掛けてくる。
「そこ、夫婦喧嘩は程々にな。それで、麻帆良って単語で何か分かったことはあるのか?」
「ちょっと、誰が夫婦よ……残念ながら私もアークエネミーも特に判明した事実はなかったわ」
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