Fate/stay night
1135話
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ゃない。こうして見る限りだと、恐らく他の何かだ」
溜息を吐きながら、本を元の場所へと戻していく。
ちょっと休憩って訳でもないけど、凛や綾子の方を見に行くか。
そう考えて、まずは凛の方に行ったんだけど……
「なぁ、なぁ。いいだろ? 俺達と一緒に遊びに行こうぜ? いい店知ってるんだよ」
「そうそう、こいつの顔って物凄く広いんだぜ? ほら、アイドルとか興味ない? もしなんなら事務所を紹介して貰ったらどう? まぁ、君みたいな美人なら、スカウトされるのもむずかしくないだろうけど」
「何度も言ったけど、興味ないので。大体、何で図書館でナンパなんかしてるの? そういうのはもっと相応しい場所でやったらどう?」
……いや、うん。
確かに凛が美人なのは事実だし、声を掛けられてもおかしくはない。
けど、だからって何だって図書館でナンパなんかされてるんだよ?
いや、この場合責められるのは凛じゃなくて図書館でナンパしている相手の方か。
凛としても、出来れば穏便に済ませたいとは思っているんだろう。いつものように鋭い舌鋒は控え、興味がないと言いたげに調べ物に熱中している。
……しょうがない。凛だけにしておけば、いつまでもナンパが続くだろ。
出来れば面倒事は避けたいところなんだけどな。
そんな風に考えながら、凛の方へと近寄っていく。
さて、このまま大人しく退散してくれるのか、それとも乱闘騒ぎにでもなるのか……
「凛、どうしたんだ?」
「……あら、アーク。そっちの調べ物はもう終わったの?」
となりにいる男達は全くいないかのような仕草で言葉を返してくる凛。
さて、どうなる……?
と、相手の反応を見ようと思ったら……
「ちっ、何だ男連れかよ」
「だから言っただろ? あんな女が1人な訳ないって」
「けどよ、あれだけいい女だぜ? 声を掛けたくはなるだろ」
そんな風に言葉を交わしながら離れて行く。
ああ、何だ。ナンパはナンパでも、悪質なナンパじゃなかったんだな。
引き際を心得ている辺り、好感が持てる。
それは、俺だけじゃなくて凛も同様だったんだろう。少し意外そうな表情で立ち去っていく男達の方へと視線を向けていた。
「ちょっと意外ね」
「まぁ、それは否定しない。……もっとも、図書館でナンパするってのが元々不思議だけど」
「そう? 知的美人が好みなんでしょ?」
クイッと、いつの間にか付けていた眼鏡を手で直す凛。
確かにこうして見る分には知的美人に見えない事もない。
実際、凛はミスパーフェクトとか言われているように、成績もいい。そういう意味では知的美人ってのは間違ってないんだろうな。
元々魔術師ってのは研究者の側面が強いって話だし。
「否定はしないよ」
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