閃光
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してくれていたのですが……何も成果がありませんでした。……申し訳ありません」
「俺に謝られてもどうしようもない。無ければ無いでどうにかするしかないだろう」
「そう……ですよね」
しかし切り札が欠落している事実に変わりは無く、その事を悔いて彼女達はまだ意気消沈していた。別に励ます義理も無いので放置しておくが……それにしても“月詠幻歌”という名前にはどこか既視感がある。知らないのに知っているというか、名前そのものは聞いた事が無いはずなのに聞いた事があるというか……そういう妙な感覚がある。謎の違和感に俺は首を傾げた一方で、彼女達は恐る恐るといった様子で話しかけてきた。
「ところでサバタさん……。不躾ながらお尋ねしたいのですが……マキナさんは……」
「それについては俺を介さず、本人と直接話せ。あと、おまえ達に渡しておくものがあるから、それを用意している間に済ませておくよう頼む」
「わかりました。でも……あれだけの事があった後なのに、私達と話してくれるのか不安だわ……。本当に大丈夫かしら……?」
「おい、そんな頼るような目をしても無駄だぞ。これはおまえ達の問題なのだから、おまえ達でどうにかしろ」
という訳で俺とマテリアルズがラプラスに外付けしている格納庫からある物を取り出している間、マキナにはカリムとシャッハの前でケジメを付ける話をさせた。短い期間だが一応世話になった訳だから、マキナの今後のためにもちゃんと話をしておく必要がある。ま、簡単に言えば自分の進路を報告するようなものだから、向こうが納得すればすぐに終わるはずだ。
ちなみにシャロンは酔い止めを飲ませておいたにも関わらず、来る途中で乗り物酔いを起こしてしまい、コクピットでグロッキー状態になっている。辛い状態で動かすのも可哀想なので治るまでそっとしてあげよう。
ラプラスから降りてきたマキナの姿を見た時、無事な事がわかって安堵の息を吐いたものの、すぐに複雑な表情でカリムとシャッハは彼女と向かい合う。対してマキナは以前と違って次元世界の人間へ不信感を抱いているため、あからさまに気付ける程度に警戒心をのぞかせていた。なお、精神的な傷の事もあるので次元世界の人間と会話するのが辛いようなら、その時に備えて精神安定剤を渡してある。一日に服用するのは一錠か二錠までにするよう言いつけてあるが……今のマキナなら飲まなくてもまだ大丈夫そうだ。
『……ご無沙汰です、騎士カリム、シスター・シャッハ。息災で何よりです』
「マキナさんこそ、こうして直接無事を確認できてとても安心したわ。ニダヴェリールが崩壊したと聞いた時は私達も心配で心配で……!」
「ええ、それに私達だけでなく、はやて様やアースラの皆さんもあなたの安否を気にかけていましたよ」
『そう
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