閃光
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女達は彼女達でダメージを与えながら、俺は暗黒剣で足元のファーヴニルを切り刻みながら駆け抜ける。斬るごとに血と表皮の欠片が飛び散っていき、着々と傷を蓄積させていく。無数に斬った後そのまま俺の身体は重力に従って落下し、その先にはレヴィが待ち構えていた。彼女が差し出した手を掴むと、落下の勢いを遠心力に変換してレヴィが軸になって回転し、掛け声と共に天空へと飛び上がる。
上へ飛翔していく途中、暗黒物質が異常に集中している部分に気付き、俺はそこへ波状攻撃するようマテ娘に進言する。全員のエナジー込みの攻撃を受けてボロボロになっていくドクロの部分に致命的な一撃を与えるべく、俺はサムのようにホドリゲス新陰流の居合い抜きを放つ力を溜め…………ゼロシフトも同時発動して空中で瞬時加速、あまりの剣圧でかまいたちが発生する程の神速じみた速度で一閃する。
ジャ――――――キンッ!!!
「これが剣術だ」
瞬間、ファーヴニルの胴体と右腕を繋ぐ部分が真っ二つに分断される。見事に斬れた断面をさらしながら、ファーヴニルの右腕はミッドチルダ湾岸地区の地面に轟音を立てて落ちていった。居合い抜きをした後、再び落下していく俺を急いで先回りしたシュテルが受け止めた。
「おぉ〜!!? やっぱりお兄さんすっごいや!!」
「よし、次は左腕だ! 我らの力はまだまだこんな物ではないぞ!!」
「……おや? 少しお待ちを……。皆さん、海の方から何かの気配が接近中です……!」
シュテルが言った気配は俺も気づいていた。濃厚な暗黒物質もそうだが、何より感覚が劣化していようが、この気配の正体を俺が間違える訳が無い。そう……この事態を引き起こした全ての元凶……あのイモータルの気配。
「ようやくお出ましか、人形使いラタトスク……」
「ええ、とうとう決着の時が訪れましたよ。サバタ……」
緊迫した空気とミサイルの爆風が荒れ狂う中、シュテルに降ろしてもらった湾岸地区の陸地で向かい合う俺とラタトスク。ディアーチェ達には事前にラタトスクが現れても俺が対応するため、皆はファーヴニルへ攻撃を続行するようにと話を付けている。先に言っておいたのに去り際まで心配そうな表情を向けてきたが、意志は十分確認した後なのですぐに彼女達はファーヴニルの左腕を攻略しに向かってくれた。
かなり粗末で簡易的だが一対一の場が整った事で、ラタトスクはいつも通りに見ていると腹が立つ不敵な笑みを浮かべながら言葉を発してきた。
「思い返せば……世紀末世界、ヴァナルガンドの夢で会ってから、わたくしとあなたは腐れ縁ですね」
「全く嬉しくない縁ではあるがな。あれから幾度もの戦いと悲劇が繰り広げられた……いい加減その負の連鎖も終わりにしよう」
「その意見はわたくしも同感です。あなたは常にわたくしの計画に
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