第六章
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「ではこれで」
「はい、それでは」
「全く、とにかく私達家に入るから」
それでとだ、母は息子に言った。
「今度からこんなことはしないでね」
「全く、はた迷惑なんだから」
やれやれといった顔でだ、すみれも言う。
「お兄ちゃんにも困ったものだわ」
「阪神勝ったの?それで」
「ああ、何とかな」
俊介は母のこの問いには普通に答えた。
「もう少しで負けそうだったけれどな」
「それはよかったわね、じゃあ太洸君とお祝いするのよね」
息子とその友人が手に持っているビニールの中のビール缶を見ての言葉だ。
「それじゃあ楽しみなさい、おつまみは冷蔵庫から適当に使いなさい」
「ああ、、じゃあな」
こうしてだった、騒動は瞬く間に沈静化してだった。
お巡りさんは帰って俊介の家族は家に入った。そして俊介と太洸もだった。
俊介の部屋に入って実際に冷蔵庫にあった適当なつまみと冷蔵庫の横にあtったピーナッツと柿の種もあったのでそれも口にしつつビールを缶を開けて飲んだ、そのうえで。
俊介はやれやれといった顔で、自分の前に胡座をかいて座る太洸に言った。
「俺が聞いてなかったからか」
「人の話をな」
冷静に返す太洸だった。
「こうなったんだ」
「御前もそう言うんだな」
「俺は落ち着けと言ったな」
咎める目だった、太洸の今の目は。
「そうだったな」
「そういえばそうか」
「それも何度もな」
「本当に焦ったからな」
「焦っても人の話は聞け」
あくまで冷静な太洸だった。
「家に誰もいなくても家の中が荒れていないとだ」
「大丈夫か」
「確かに神隠しもある」
人がいきなりいなくなる、そうした話は太洸も存在を認める。
だが、だ。それはあくまでとも言うのだ。
「それは例外だ」
「滅多にないことか」
「そうそうあってたまるか」
神隠しの様なことがというのだ。
「それこそな」
「そうか、じゃあか」
「今回のことで懲りたな」
「皆呆れてたな」
「呆れるのも当然だ、あれだけ騒いだらな」
「やれやれだな」
「わかったら今度からはだ」
また言う太洸だった。
「落ち着け、いいな」
「わかったよ、それで人の話を聞けっていうんだな」
「さもないとまた同じことになるぞ」
「それは嫌だな」
「嫌だったらわかるな」
「ああ、わかったよ」
俊介はビールを飲みながら友人の言葉に頷いた。
「今度からはな」
「そういうことでな」
こう言ってだった、太洸も飲んだ。そうしたことを話しながらだった。二人は飲んだ。そしてだった。
俊介はあらためてだ、太洸に言った。
「美味いな」
「今日のビールはな」
「阪神が勝ったからか」
「そのお陰だな」
「また美味い酒が飲みたいな」
「阪神が勝っ
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