第二章
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「図書室が滅茶苦茶になあっているらしいのよ」
「図書室が汚れているんだ」
「汚れているっていうか本棚が倒れて本が散らばってるらしいのよ」
「本棚が?」
「そうらしいのよ、それでね」
「その本棚を元に戻して」
「それでね」
絵里奈は達也に真面目な顔で話した、眼鏡の奥の目も真剣だ。
「本もね」
「元に戻して」
「そうしないといけないの、けれどね」
「本棚を元に戻すとなるとね」
「大変だから、今学校に残っているの私だけだから」
「僕に手伝って欲しいんだ」
「そうなの、お願い出来る?」
頼む込む顔での言葉だった。
「お礼にジュース奢るから」
「じゃあコカコーラね」
ジュースと聞いてだ、達也は絵里奈にすぐに言った。
「それを一本ね」
「わかったわ、それじゃあね」
こうして話は決まった、達也は絵里奈と一緒に図書室に入った。すると確かに本棚が一つ倒れていてだ。
本が散乱していた、その本棚をだ。
彼は絵里奈と二人でまずは立ててだ、それからだった。
本をその本棚に入れてそちらも戻した、それが終わるとだ。
夕暮れはすっかり深くなり夜になろうとしていた、達也はその窓の外を見て仕事が終わってほっとしている絵里奈に言った。
「すぐに帰ろう」94
「うん、それじゃあね」
絵里奈も頷いてだ、そして。
二人はすぐに学校を出た、すると。
絵里奈は周りを見回してだ、達也に怪訝な顔で言った。
「あの」
「どうしたの?」
「さっき何かいなかった?」
「何かって?」
「あそこにね」
右手を指差しての言葉だった。
「さっき見えたけれど」
「木が動いたんじゃないの?」
「違ったわ、それに木が動いたっていうけれど」
それにしてもというのだ。
「風ないじゃない」
「確かにね、それはね」
「だから木もね」
「動かないね」
「そう、木とは別の何かがね」
「見えたんだ」
「そうなの」
「それって何なの?」
「それは」
怯える感じでだ、絵里奈は答えた。
「よく見えなかったけれど」
「それでもなんだ」
「何かがいたのはね」
そのことはというのだ。
「確かよ」
「そうなんだ」
「すぐに帰ろう」
「うん、暗いしね」
達也も頷いてだ、そのうえで。
二人は帰り道を急いで帰った、だが。
すっかり暗くなった、とはいってもまだ夜ではないその道の横にだ、今度は達也が見た。
「いたよ」
「何が?」
「ええと、あれは」
その見えた何かがいたところを振り返りつつ言う。
「何かな」
「何かなって」
「長くて太いものがいたんだ」
「それ何?」
「蛇なのかな」
達也は首を傾げさせて絵里奈に答えた。
「それは」
「太い蛇って」
「暗くてよく見えなかったけれど
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